第246幕
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「あのクソガキ……」
『どこまで手を貸してるのかはわからない。でも、関わってるのは確実だろうな』
晋助の名を出した途端、銀時はこめかみに青筋を浮かべるほどの怒りを顕にした。
海の考えでは、晋助が一橋。喜々に手を貸しているというもの。
池田夜右衛門の時に一緒に居たというのもあるが、一橋派に属している見廻組の佐々木とも繋がりがあるような節があった。そうなると一橋との関係性はとても深いはずだ。
喜々の背後に晋助がいる。それは鬼兵隊だけではなく、春雨も関係してくるだろう。
『喜々側の戦力は桁違いになる。武力で攻められたら茂茂はどうしようもないな』
「じゃあ、どうすんだよ。このまま将軍様を見捨てるのか?」
『まさか。そんなことするわけねぇよ』
相手は多勢でこちらを潰す気でいる。力技でどうにかすればいいと思っているのだ。ならその自信をへし折るまで。
『相手が誰であろうと返り討ちにしてやればいい。今回ばかりはアイツもやり過ぎてるから一発殴らないと』
「やり過ぎてるとかっていうレベルじゃないんだけど。てか、高杉に対して甘すぎない?」
『別に甘やかしてるつもりはないけど』
「いーや、甘やかしてるね。昔っからアイツに対しては何かと世話焼くじゃねぇか」
『そんな事ないだろ』
「ありますー。喧嘩で怪我したくらいですーぐ海くんは高杉の手当てするし。悪ふざけしてもクソガキのこと庇うじゃねぇか」
ムッとした顔でつらつらと言い述べる銀時に首を横に振って違うと何度も否定したが、銀時は拗ねた顔のまま。
『何が気に入らないんだよ』
「……なんだよ」
『は?』
「だから!お前は俺のなの!」
『…………はい?』
予想してなかった言葉に思考が止まる。銀時は真剣に訴えているのだが、海としては意味が全く理解できない。
「海さ、大怪我負った時に病院抜け出したことあったの覚えてる?」
『随分と前の話持ってくるな……』
「あの時、高杉に会っただろ」
『なんで知ってんだよ』
確かにあの時晋助に会った。自分の手で定定をやろうとしたけど、身体が思うように動かせなくて定定のいる牢屋の前で倒れた。まさかそんな場所で晋助に会うとは思わなかったが。
「あのオッサン殺したの高杉だろ。お前の代わりにやったんじゃねぇのかよ」
『あれは俺でも予想外だったんだよ。いるとは思わなかった。俺が定定をやって……そこで力尽きたとしてもいいかと』
「良くねぇ。何一つ良くねぇよ。なんでお前はそうやって自分勝手なの?」
『アイツは生かしておくべきじゃない。どれだけの罪を犯してきたと思ってんだ』
「おっさんのことはどうでもいい。そうじゃなくて、なんで海は一人で決めて実行すんの。なんで誰かに相談とかしないわけ?」
『相談したところで誰が動けるって言うんだよ。相手はこの国のトップ。俺たちはそいつの下っ端みたいなもんなんだよ。前回は上手く済んだかもしれないけど、下手なことをすれば俺の首だけじゃ済まない』
誰にも出来ないのであれば自分がやるしかない。バレないように、静かに事を終わらせる。そこでもしバレたとしても身分を明かせばいい。幕府滅亡の為に真選組に潜り込んでいたとでもいえば、近藤たちにいく叱責も少なく済むと踏んで。
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