第233幕
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「こっちが銀の字で、そっちが鬼の副長殿ってわけか」
椅子として適当に置かれた木箱の上に座りながら海は濡れた頭をタオルで雑に拭く。
「事故の報を聞き、もしやと思いたまにてめーらを捜させて正解だったな。いいか、よく聞け。てめーらを轢いたあのトラックはな極秘裏に開発されたあるカラクリを運んでいたんだよ。人間の尊厳、宇宙の因果律まで変えかねん恐ろしいカラクリを!」
そんな危ないものをなんでトラックで運んだんだ。もっと丁寧に運ぼうとは思わなかったのか。
事故にあったのが土方と銀時だからこんなもんで済んでいるが、これが別の人間だったらもっと厄介なことになっているだろう。秘密で搬送させていたカラクリだって公になっていただろうし。
「な……何の話だ?」
「俺たちは一体……」
「恐らくだが、そのカラクリが衝突のショックにより誤作動を起こした。おめえたちを襲った悲劇はそれによるもの。そう、この……"全自動卵かけごはん製造機"によるものだ」
「いや、ただのゴミクズじゃねーか!"全自動卵かけごはん製造機"って何だ!?」
源外が取り払った布の中には人一人入れそうなほどの機械が二つ。そしてその中心にはホカホカのご飯が置かれている機械。
『なんで卵かけごはんを機械で作ろうなんて思ったんだよ』
「卵かけごはんが自動で作られるなんてロマンだろう!」
『卵割ってご飯にかければいいだけの話だろうが。そんなもん一々機械でやってられるか』
アホくさいとため息をつくと源外がいかに全自動卵かけごはん製造機が素晴らしいかを説明し始める。だが、海は全て右から左へと受け流して無視を決め込んだ。
「海、ちゃんと頭拭きなさい」
『もう乾いた』
「乾いてないだろうが。お前はそうやって放置するから風邪ひくんだろうが」
『大丈夫だろ。そんなに寒くねぇし』
「ダメだ。ちゃんと拭いとけ」
グチグチと言われて仕方なくタオルで髪を拭くが、少しやってはまた放置。
「ったく、だから言ってんだろうが」
面倒くさがってやめた海の代わりに銀時が髪を乾かそうと動く。
「銀時様、ドライヤー使いますか?」
『最初からそれ貸してくれればこうならなかったんだけど』
タオルじゃなくてドライヤーだったらすぐに乾かせたのに。
「すみません。それでは味気ないかと」
『味気ないって何が!?』
「絡み的に」
『辛味!?』
「海、多分お前が思ってる意味とはちょっと違うと思うんだけど」
『ドライヤーになんの味気を見出してんだよ』
「色々あんだよ。気にすんな」
ドライヤーかけるから大人しくしろと言われ、海は言われるがまま髪を乾かされる。その間、味気について考えてみたけど答えは見つからなかった。
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