第245幕
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「そういえば海さん。旦那の所のチャイナ娘。死んだそうですよ」
『は?』
「明日葬式やるそうですぜ」
『いやいやいや、何でそうなった』
書類と睨めっこしていた顔を上げて総悟の方へと目を向ける。のんびりと団子を食べて茶を飲んでいる総悟は別に大したことでは無いと言いたげな顔。
「昨日、姫様を連れていったのは知ってますよね?」
『あ、ああ……お見舞いに行ったんだろ?』
「ええ。ですがその後状態が急変したんです」
『……本当に死んだのか?』
二日前はピンピンしていた。見舞いの品だといって果物の盛り合わせを持っていったら全部食べていた。
熱も下がってきているからもうすぐ退院出来るだろうと医者も言っていたはずだ。それがどうして急に葬儀の話になった。
「その場に近藤さんと土方さんも居たので聞いてみてください」
『ただの夏風邪じゃなかったのかよ……』
「ただの夏風邪ですよ」
『は?』
「海さんも知ってたんじゃないんですか?あの女が旦那に嘘ついてたこと」
『なんでお前知って……』
この事は海と神楽だけの話だと思っていた。銀時と新八にはまだ話していないし、看護師にだってベラベラ話すような人達では無いはず。
「見てれば分かりますよ。死にかけてるようなやつがあんな焦った顔しないでしょう」
『いや、まぁ……』
「だから盛大に式を執り行ってやろうかと思いまして」
『いやだから何でそうなるんだよ。普通に退院させればいい話だろ』
「一度始めたことは最後までやり通すのが義務ってもんですよ」
そう言って総悟はニヤァと笑った。
あぁ、こいつはこういう性格だった。忘れてた。
『……程々にしておけよ?』
「へい!」
こうなるのであれば早々に銀時に話しておけばよかった。神楽が嘘をついていると正直に言ってやればよかった。
そうしておけば、このイタズラ大好きっ子に利用されなくて済んだのに。
『なんで俺が罪悪感感じないといけないんだよ』
「海さん?」
『なんでもない』
もういい。どうにでもなれ。
元はと言えば、銀時が炎天下の中を連れ回したのが悪いのだ。全ては銀時への罰だと思うことにしよう。
自分はこれ以上この件に関わるのはやめよう。
そう思いながら書類へと逃げた。
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