第245幕
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『神楽が入院?』
「そうなんだよ……」
部屋にこもって仕事をしていた海の元へと慌てた様子で現れた銀時は泣きそうな顔でそう呟いた。
神楽が倒れたのは昨日の昼過ぎ。一番日差しが強く暑い時間に神楽と新八を連れて銀時は浮気調査の仕事をしていた。
そんな中、神楽が突然倒れたというのだ。
『確か太陽の光に弱いって言ってたよな』
「えっ!?そんなこと言ってたっけ!?」
『神楽が、というか同じ種族の人間が言ってた』
吉原でのいざこざの時に神威がそんなようなことを言っていた気がする。鳳仙が太陽の光を浴びて朽ちていったときに。
『お前まさかあの炎天下の中を何時間も歩かせたわけじゃないだろうな?』
「そ、そんなことしてねぇよ!!……うん」
最後の"うん"が全部を物語っている。きっとこの暑さの中、新八と神楽を連れてフラフラしていたのだろう。
『お前なぁ……子供を連れてる自覚あるのか?自分は動けても新八たちがそうだとは限らないだろうが』
「いやだってそういう設定だったんじゃないの!?今まで普通に太陽の下歩いてたじゃん!」
『夜兎がどういうもんなのかはよく分かんねぇけど、それを除いたとしてもおかしいって言ってんだよ』
従業員といえども新八と神楽はまだ子供だ。大人である銀時に比べたら体力は少ない。それに加えて太陽の陽射しなんて浴びたら益々動けなくなる。
そんな中で浮気調査だと言って水分も摂らずに歩かせていたら倒れるに決まっている。神楽だけでなく、新八も熱中症で倒れていたかもしれない。
『お前、ゆで卵元に戻せんの?』
「は?なに?急に」
『ゆで卵を生に戻せる力でも持ってんのかって聞いてんだよ』
「そんなこと出来るわけないだろ」
『そういうこと。熱中症はゆで卵と同じなんだよ。一度脳にダメージを受けて障害が残れば、それは一生続く。ゆで卵を生卵に戻せないのと同じで、ダメージを受けたら元には戻せない』
「う……」
『だからテレビでもなんでも熱中症には気をつけろって言ってるだろ』
梅雨明けからほぼ毎日、三十度以上の気温になっている。そのため、テレビでしつこいと思ってしまうほど熱中症対策の番組やCMが流れていた。
子供らはそんなことお構い無しに外へと飛び出して行ってしまうのだ。だから大人が気をつけて見るしかない。
『仕事だから仕方ないとは思うが、次からは気をつけろよ』
「は……はい」
ゆで卵の話を聞いたせいか意気消沈した銀時は青ざめた顔で俯いた。きっと自分がしてしまったことに後悔してるのだろう。
『神楽はどこに入院してるんだ?』
あまり責めても可哀想なので、ここら辺で話題を変えることにしよう。出ないと今度は銀時が倒れそうだ。
落ち込んだ顔で話す銀時に少し怒りすぎたかと反省しつつ、溜まっている仕事の量と神楽の所へと行く予定を頭の中で整理していた。
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