第244幕
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無実を証明するためだといって斉藤が取り出したのは日々付けていた日記帳。そこには桂が裏でコソコソで動いていたことを記したものではなく、近藤、土方、総悟が夜中にひっそりと悪巧みをしていた証拠だった。
「みんな聞いてくれ!この事態こそが斉藤の悪行の証拠!隊内を調査する名目で隊士の弱みを握り、こうして幹部さえも自在に操っていたのだ!局長!この裏切り者の粛清を命じてください!」
話し合っていても埒が明かないと思ったのか、桂は刀を抜いて斉藤へと向ける。流石にその状態になってしまったら近藤も止めに入ろうとするのだが、横に座っていた土方が逆に近藤を止めた。
「近藤さん。柱に命令するのであれば、向こうにも命令すればいい。裏切り者を粛清しろと」
土方が投げた刀は斉藤の手へと収まる。
「トシ!」
「ごちゃごちゃ御託は聞き飽きたぜ。ここにいるのは剣に生き、剣に死ぬ覚悟のある者たちだ。言いたいことがあるなら剣で語れ。それが……真選組ってもんだろ」
「え、なにそれ。そうなの?お宅ら」
『さぁ。そう思ってんのは土方だけじゃね?』
「でも、周りのやつら文句言わねぇよ?」
『副長が言ってる事だから言えないだけだろ。てか、あいつ一々古臭いんだよ。今どき剣が剣がって言わねぇよ』
「そりゃそうかもしんねぇけど……」
話し合いよりもやり合った方が早いというのは賛成だ。斉藤が桂を追い出してくれたらそれで終わるのだから。
だが、斉藤が桂を斬れるのか。相手がテロリストだということはもう分かっている。でも、一度は友になりたいと思った相手だ。そう簡単に割り切ることは出来るのだろうか。
『ケリつけられなかったら邪魔しに入るか』
「でもそうしたらアフ狼さんは……」
『今やっておけば傷は浅く済むだろ。変に期待を持ち続けるよりかは』
「それはそうですけど……」
「なんだかアフ狼が可哀想アル」
落ち込む子供らに銀時はなんとも言えない表情。斉藤から受けた依頼を遊び半分だったが、それでも何とかしてあげようと動いていたのだ。今日だってこんなことをしてまで斉藤のことを心配して見に来てくれている。
『仕方ねぇよ。こればっかしは』
本当に立場が悪かった。それしか言いようがない。
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