第243幕
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「いや、ほらなんつうかさ。こうなったのはアフ狼のせい?ってのもあるんじゃねぇの?」
『警察に侵入し、我が物顔で内部を私物化してきてるテロリストは悪くねぇと?』
「それはだなぁ……」
「銀さん、もう無理ですよ。海さんめちゃくちゃ怒ってるじゃないですか」
「アフ狼が処刑されるよりヅラが海に殺される方が早い気がするヨ」
頷き合う子供に銀時は面倒くさそうな顔をしながらため息を漏らす。
桂が裏でコソコソとやっていたのは斎藤の糾弾。何をしゃべらないのをいい事に根の葉もない噂を隊士たちに流し、それを隊長格や局長の耳に入らせた。そうして生まれた疑心暗鬼を桂は上手くつついたのだ。
斎藤は今や牢屋に入れられて明日の処刑を待っている状態。
「海の方から多串くんたちに言えばいいんじゃねぇの?」
『決めたことは覆らない。それにあまり関わりたくねぇんだよ。桂との事がバレれば俺の立場も危うくなる』
「あー……お前は"本物"だもんな」
斎藤に掛けられた罪状は偽物でも、海の方はいつ首が飛んでもおかしくないものばかり。土方と近藤は海を信頼しているから疑うことは無いだろうけど。
『まったく……なんでこうもアイツらは面倒なことしか起こさねぇんだよ』
疲れた表情で頭を抱えている姿はとても可哀想だ。両隣で新八と神楽が励まそうと声をかけてはいるが、それくらいではどうにもならなさそうに見える。
「ほら、なんとかと煙は高いところへ上がるって言うだろ?アイツらは馬鹿だから仕方ないの」
『桂はそうでも晋助は違うだろ』
「似たようなもんじゃねぇか。悪いことはしてはいけませんって言われただろう」
『まぁそうだけども』
「お前と俺はこうして真っ当に生きてるから。アイツらとは違うの」
だから誰かに疑われるかもしれないという心配はしなくていい。そういう意味で言ったのだが、何故か海からはじとりとした目を向けられた。
『お前が真っ当な生き方をしてるとは思えないんだが?』
「海の言う通りアル。銀ちゃんと海を一緒にしたらダメネ」
「そうですよ。昼間っからパチンコに行くような人と海さんを一緒にしないでください」
「お前ら海を励ましてたんじゃないの!?なんで俺がこんな怒られてんの!?」
『普段の行いのせいだろ』
新八と神楽から冷たい目を向けられてたじろげば、海はぷっと吹き出して笑う。
どうしようどうしようと悩んでいたのが嘘みたいに、いつもの顔に戻った。
「ったく。ちょっといい事言ったらこれだ。お前ら俺の事バカにしてんのかよ」
『バカにはしてねぇよ。呆れてるだけ』
「それバカにしてるの通り越して諦めてるよねぇ!?」
『ないない。そんなことねぇよなぁ?』
「ないですよ」
「ないアル」
「だからお前は嘘つく時、同じ言葉繰り返すの!!分かってんだからな!?」
『さぁ、なんのことやら』
嘘をついたり誤魔化そうとする時に見せる癖。普段は知っていて良かったと思っていたが、今はその記憶を消したいと切に願ったり。
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