第242幕
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『おい、あれどうすんだよ』
「さ……さぁ……」
『銀時がそうしろって言ったんだろうが』
不気味な笑みを貼り付けて歩く斎藤に銀時は苦笑いを浮かべる。
「まさかこうなるとは思わねぇだろ!ただの笑顔がなんであんな殺人的な顔になるわけ!?」
『知らねぇよ。本人はあれで笑ってるつもりなんだろ』
「笑ってるじゃないよねぇ!?」
『人それぞれ笑い方は違うだろ。斎藤のは……うん』
「ちゃんとフォローできないなら文句言うなよ!」
『してるだろ。ちょっと怖くなっちゃっただけであって悪意はねぇよ。多分』
「ちょっとどころじゃないからね?あれはもう完全にやっちゃってる顔だからね?なんか良からぬことを考えて楽しんでるような顔だからね!?」
必死に訴えかけてくる銀時を面倒くさそうに蹴り飛ばし、海は自分の部屋に戻ろうと歩き出した。
『付き合ってられるか』
「あっ、海さん!」
「海!でも、このまま放っておいたらヅラが勘違いしたままネ」
『桂は追い出すから問題ない。斎藤がどうしても友達が欲しいって言うなら隊士たちに掛け合ってみる。他の奴らとの接点が増えれば自ずと増えるだろ』
「それはちょっと違うんじゃねぇの?」
『何が』
斎藤を眺めたまま銀時は小さく唸る。
「無理矢理作ったって意味が無いんだよ。あいつが自分で友達になりたいと思ったやつじゃないと」
『だから気の合う奴を選べばいいだけだろ』
「そうじゃなくてさ。なんていうの……ほら」
「友達なんていつの間にか出来るものアル。でも、誰かに作ってもらうものじゃないネ」
「そうそう!海が良かれと思って交流の場を作ったとしてもその時だけかもしれねぇじゃん?誰かに言われたから仲良くしてる、じゃなくて。互いに友達になりたいって思わねぇと成立しねぇもんなんじゃねぇの?」
銀時の横で神楽と新八が頷き合っているのを見つめながら海は首を傾げる。
『なら最初から破綻してるだろ。桂と斎藤は友人にはなれない。警察とテロリストが仲良く手を組むなんてそれこそ切腹ものだ』
「いやまぁそれはそうなんだけど………」
うーんと頭を抱えて考え込む銀時にそっとため息を漏らしつつ、斎藤と桂の方を眺める。未だ不気味な笑みを浮かべている斎藤に桂はタジタジになりながらもお茶を差し出していた。
『……立場が悪かった。なんて言いたくねぇけど』
テロリストと警察。そうでなければ彼らは良き友になれたのか。出会い方を間違えてしまっただけでこんなにもこじれてしまうとは。
なんとも嘆かわしいことだ。
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