第242幕
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翌日。
『は?今なんて言った?』
「だから、最近入った新人の様子を見て来いって言ってんだよ」
朝食を終えたあと、いつものように仕事の話をしに副長室へと来ていた海は唐突に土方に斎藤の所へ行けと言われた。
話を聞いてみると、どうやら新人隊士の行動が隊士たちの中で噂になっているとのこと。
斎藤の部屋の前で一日中敬礼をしたまま立ち尽くしていたり、斎藤の後ろを金魚のフンのようにくっついて歩いていたりと。
『……なんで俺が見に行く必要あるんだよ』
出来れば関わりたくない。なんせその新人隊士は桂なのだから。下手に関わって自分のことがバレるようなことがあってはならない。このまま放っておけばいつの間にか居なくなるだろう。なんせアイツは馬鹿だから。
「今人手不足なの知ってるだろ。また募集するといったって、あの新人程の実力を持つやつなんてそうそういねぇよ」
『だったら土方が見てくればいいだろ。問題があるなら斎藤に言えばいい』
「そうしたいのは山々なんだが、近藤さんからストップかかってんだよ」
『は?』
「俺が行くよりお前が行った方が適任だろうってよ」
なんとなく近藤の言いたいことはわかる。土方が見に行って何かしら問題があった時、こいつは直ぐに局中法度を持ち出すに違いない。一言目二言目には腹を切れと言うような男に任せられないのだろう。
でも、海からしてみればそっちの方が良かった。土方によって桂が追い出されれば屯所に平穏が訪れる。これ以上、無駄なことに頭を使わなくてすむ。
「そういう事だから頼んだぞ」
『拒否することは可能か』
「近藤さんからの頼みだ。お前、無視するつもりか?」
そう言われてしまえば海はもう何も言えなくなる。
『問題があったら即刻、新人には出ていってもらうからな』
「ああ。近藤さんに伝えておく」
問題がなくても作ればいいのだ。どうせ桂のことだから、こちらが何もしなくても問題行動を起こしてくれるはず。それを土方と近藤に報告すればいいだけのこと。
『じゃあ、見に行ってくるわ』
「おう。あっ、海!お前この後の見回り誰と──」
土方の言葉を最後まで聞かずに海は襖をパタンと閉める。
『善は急げって言うだろ。今すぐ追い出してやる』
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