第241幕
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「はあ?何やってんのお前」
突然、万事屋に桂と海が来たかと思えば、彼らは銀時でも呆れるような話をし始めた。
「真選組の内部に潜入し、内側からヤツらの組織を瓦解せしめる」
「って言ってるけど?」
頭に包帯を巻いてドヤ顔で語る桂から海へと目を向ける。桂の横に座っている海は見るからに疲れた顔をしていた。
『もうどうでもいい』
「いや、どうでも良くないだろ。コイツ、テロリストよ?そんな人間が警察の中に入り込めるってどんだけ緩いんだよお前んところは」
『緩いんじゃない。バカの集まりなだけだ』
そう言って海は重いため息を吐いて天井を見上げる。
「仕事、変えたら?」
『……辞めたい』
「ウチならいつでも大歓迎よ?」
ボソリと零れ落ちた本音に銀時は苦笑いを浮かべることしか出来ない。海がここまで言うということは相当だ。
「海さん、お茶飲みますか?」
「煎餅もあるヨ」
『いる』
今まで見守ってた新八と神楽が示し合わせたかのように海の事を労り始める。そんな彼らを眺めながら一人興奮している桂へと渋々といった感じで目線を戻した。
「それで?お前は真選組に入り込んでなにやってんの?」
『こいつ、うちに入るどころか役職持ちになりやがった』
「は?」
『俺もまさかとは思ったんだけどよ』
二回目のため息をつく海から察するに冗談とかではなさそうだ。
「三番隊特別副官として俺は真選組に入ることになったのだ!」
はははっ!と高笑いする桂に一同絶句。そして銀時と子供たちはちらりと海を見る。
『俺は認めてないからな。アイツらが勝手に決めたことだ』
「それでもなんかほら……反対するとかってなかったんですか?」
『それほど人手が足りてないんだよ。こんなよく分かんねぇヤツ簡単に入れちゃうほど』
「え、マジでこいつ隊員なの?仕事出来んの?」
「そうですよ!そもそも三番隊ってどんなところなんですか?」
新八の問いに海は眉間に皺を寄せて難しい表情。
『俺もあまり知らないんだよ』
「え?どういう意味ですか?」
『三番隊は桂が入るまでは隊長一人で構成されてた』
「えっ!?一人でですか!?」
「三番隊は隊長にしか務められなかったんだ。他の隊は江戸の治安維持の任務が主な仕事だが、三番隊は特別な任務が課せられている」
「特別な任務……?」
「そうだ。真選組内部での裏切り者をあえて自分の隊に引き入れて人知れず処断する。それが沈黙の部隊、真選組三番隊の真の姿なのだ」
「それって……お前の正体もうバレてんじゃん!完全にアンタ殺るつもりで隊に入れたってことでしょ!ちょっと海さん!この人本当に大丈夫なんですか!?」
ぼーっとお茶を啜る海に必死に訴えてみるも彼は一言も喋らない。面倒くさがって無視してるのかと思ったが、海の顔を見るところそういうことでも無いらしい。
「海?」
『そんなものはない』
「え?」
それだけ言って海は神楽からもらった煎餅をバリバリと食べ始めた。
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