第240幕
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「その……悪かった。今回のことは本当に助かった」
『それは何度も聞いた。それ以外の言葉は無いのか。それにその話はもう気にしなくていいって言ったはずだけど』
「いや、何度でも礼をさせてくれ!!」
『やめろ。しつこい』
朝食を終えてから自室で仕事をしていたところに近藤がひょこりと顔を出した。部屋に来てからというもののずっとモジモジしていたので、こちらから声をかければずっとこの調子。
というのを数日繰り返している。
『いい加減にしてくれないか?これで何度目だよ』
「今日で最後にするから!本当に感謝してるんだ」
『俺だけに言うことじゃないだろ。それは土方にも言えよ』
「トシにも言ったんだ。礼にマヨネーズも渡してきた」
ああ、それはとても喜びそうだ。普通に礼を言われるより。
『あっそ。ならもういいだろ』
土方にも海にも礼を済ませてある。それならばもうこの件は終わりにすればいい。近藤だって知り合いを亡くしたあとなのだ。自分でその傷をえぐるようなことをしない方がいい。
『近藤さんのためにやった事じゃない。仕事だからやっただけであって、それ以外に理由は無い』
「そうか……。そうだよな。仕事だから"猿吉小僧の墓を作ってくれた"んだな」
『何が言いたいんだよ』
「いやぁ……海は本当に……」
嬉しそうに笑いながら近藤は立ち上がる。
『なんだよ』
「なんでもない。さて、今日も張り切って見回りに行くか!」
『という名のストーカーだろ』
「断じて違うぞ!!俺はお妙さんを守る愛の戦士だ!!」
『うるせぇから早く部屋から出てくれないか?こちとら総悟が隠してた書類終わらせなきゃなんねぇんだから』
「おお!それはすまなかったな!頑張ってくれ、海」
悪かったという前にもっと別の言葉があるだろう。部下が仕事をサボっていることについて何も言わないのか。
「じゃ、行ってくる!」
『人様に迷惑かけないようにな』
出ていこうとしている近藤に向けて軽く手を振り、再び書類へと目を落とす。
「ありがとな、海」
『ん、』
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