第239幕
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強盗事件から数日後の夜、部屋で本を読んでいた海の元に土方が現れた。
「出るぞ。準備しろ」
『猿が出たか?』
「違う。動物園からの通報だ」
『動物園?』
本にしおりを挟んでパタンと閉じる。てっきりまた泥棒が出たのかと思ったが、どうやら別の仕事らしい。
「侵入者だとよ。まったく、こちとら仕事が山積みだってのに」
『仕方ないだろ。通報が来たのであれば』
「侵入防止対策してねぇのが悪い。そんな事より……お前、近藤さん見てないか?」
『……また居ないのか』
ここのところ夜になると近藤はひっそりと姿を消す。何度かあとを追ってみようかと思ったが、ストーカーのストーカーはしたくないとやめた。
どうせお妙の所に行っているのだろうと呆れていたのだが、何となく違うような気がした。
──最近、静かになったのよね。不気味なくらい。
昨日、見回りの時にたまたま会ったお妙がそんな事を言っていた。静かになったというのは近藤に会わなくなったという事なのだろう。毎日毎日嫌という程顔を合わせていたのが、急に無くなれば誰だって不気味に思うはずだ。
近藤がお妙に飽きた、とかならいいのだが、それは絶対に有り得ない。意味もなく毎日空に向かって「お妙さんが住んでいるこの街は必ずや俺たちが護ります!」と吠えているのだから。
ならば毎晩あの男はどこに行っているのか。
『そろそろ突き止めねぇとか』
「あ?何の話だ」
『いや、なんでもない』
「考え事は後にしろ。今は仕事に集中してくれ」
『わかってる』
衣紋掛けに掛けていた上着を羽織って刀を手に取る。
土方と共にパトカーに乗り込み、侵入者が現れたと通報のあった動物園へと向かった。
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