第232幕
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「海、ちょ、海くん」
誰かが自分を呼んでいるが無視して布団の中へと潜る。
「海ィィィ!!お願いだから起きてェェェェ!!!」
『うるせぇ!!』
「グフッ」
頭上で叫ばれれば嫌でも起きてしまう。イラッとしながら跳ね起きて叫んでいるヤツの頭を畳へと押し付けた。
『うるせぇんだよ……人が寝てんのに叫ぶヤツが何処に……あれ?近藤さん……?』
白目を向いて倒れているのは局長である近藤。そしてその横には朔夜と総悟の姿があった。
「海さん、あんたいつから土方さんの布団で寝るようになったんですか?」
「浮気はダメだよ兄さん。いくら坂田さんがクズでも、ちゃんと別れてからじゃないと」
『お前らさっきから何の話をしてんだ』
「あれ?気づいてないんですかい?ここ海さんの部屋じゃなくて、土方さんの部屋ですよ?」
『は?』
そんなわけないと思いながら辺りを見渡すと、確かにここは海の部屋ではなかった。
「朝の会議に土方さんが遅刻してたから兄さんが呼びに行ったのは覚えてる?」
『ああ……呼びに行ったらまだあいつ寝てて』
「呼びに行った海さんが戻らないんで、今度は鉄之助を部屋に行かせたんでさぁ」
その後、土方は鉄之助を殴り飛ばした。会議室に現れたヤツは朝からうるさいと一蹴。二度寝するから邪魔するなと。
「近藤さんが海さんはどうしたんだって聞いた時に土方さんが"海なら俺の布団で寝てるけど?"って言ってたんで見に来た次第です」
『そうか……悪い。手間かけた』
「兄さん、そこじゃないよ。なんで土方さんの布団で寝てるのか説明して欲しいんだけど」
『それはあいつに寝ろって言われて……』
そういえばあの時の土方はおかしかった。徹夜したくらいであんなに怒ることは無い。注意することはあっても、無理矢理布団の中へ入れるなんてこと今まで一度も無い。
それに……。
『(あの寝かしつけ方は銀時の……)』
子供をあやしているような優しさで銀時は海を寝かしつける。眠る前にいつも頭を撫でてくるのは銀時の癖だ。
なぜ土方が銀時と同じ真似をしたんだ?
「兄さん?」
『土方は今どこにいるんだ』
「土方さんならさっき出かけましたよ」
『分かった。ちょっと聞きたいことあるから探してくる……あと、お前らその格好はなんだ』
「土方さんが自由にやれって。規律に縛られるだけが組織じゃねぇって」
それで上着の腕の部分を引きちぎるのはどうかしてるだろう。
おかしな事になっている。これ以上、変なことにならない為にも土方を探し出さねば。
『まったく……どうなってんだこれは』
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