第238幕
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「きっ……貴様らっ!」
「死んだフリに味方の偽装。同じ手にかかるとは……やはりおまんは艦長の器じゃなか。アホの艦長は一人で十分じゃ」
激昂した艦長は残っている天人たちへ陸奥を殺せと命令するも、陸奥は一人また一人と天人をなぎ倒していく。
その姿はまさしく夜兎。
「お、おい……」
『だから言っただろ。誰かに似てるって。まさかとは思ったけど……まぁ、そういう事なんだろ』
「そういう事ってどういうこと!?待って?ウチのヒロインの立場は!?」
『神楽はメインヒロインだから問題ないだろ。つか、立場も何も周りにいる女共も中々に個性派揃いだろ。神楽は可愛さ路線でいけるかもしんねぇけど、他のヤツらは刺さるヤツには刺さる設定だし』
「設定とか言わないでくれる!?アイツらの性格が濃すぎるのはわかるけど……てか、刺さるってなに!?」
『特殊性癖』
「なにそれ!知らないんだけど!変な言葉ばっか覚えてこないでくれる!?」
「あははははっあははははっ……そう言ってる海音も普通からは外れとるぜよ」
『まぁ、そういう設──』
設定だから。と言おうとしたが銀時に口を塞がれる。これ以上何も喋るなという無言の訴えに仕方なく海は口を閉じた。
「こいつの性格は設定とかじゃないの!そのままなの!!」
「何言うとるがか。海音の性格はおまんがねじ曲げたっていう設定じゃろ」
「はぁ!?益々知らねぇんだけど!?」
「子供の頃は虐待のせいで引っ込み思案に泣き虫だったのが、金時と会ったおかげで戦闘狂に。海音の人格矯正したのは金時……おまんじゃ」
「ちょ……いや、」
「っていう設定」
「そんな設定ねぇから!!!!」
※本当にありません……多分。
『銀、話してる場合じゃない』
「今度は何!?」
天人たちが片付けられた今、勝機はないと確信した艦長はこの場から逃げ出そうとしていた。追われるのを恐れて、ヤツらはこちらへと機関銃の先を向けている。このまま立ち話などしていたら蜂の巣にされてしまう。
「海!行くぞ!」
『気づくの遅ぇよ』
撃たれているというのに未だに辰馬と言い合っている銀時に悪態つきながら物陰へと隠れる。
『こりゃ弾が尽きるまで撃ち続けそうだな』
隠れたはいいものの相手はひたすらに撃ってくるので、隠れた先のコンテナが段々とボロボロになっていく。壊れる前に機関銃をどうにかしなくてはならないのだが、生憎こちらには飛び道具など一切ない。
『どうすっかな』
「飛び道具ならここにあるぜよ」
『え』
機関銃の前へと飛び出していった陸奥の両手には辰馬と銀時。
『ご愁傷様』
銀時と辰馬が機関銃へ突っ込んだおかげで砲撃は止んだ。あとは逃げようとしている艦長たちを止めるだけ。
『止めるのは陸奥に任せて大丈夫そうだな』
手伝いに来たのか、それとも足を引っ張りに来たのか。
まぁたまにはこんな日もあるかと笑いながら艦長が飛んでいくのを眺めた。
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