第238幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そう、あの時もそうだった。あなたたちは仲間を護ろうとするも何も出来ずそうして地に転がっていた」
辰馬が捕まっている部屋に来るなり銀時は前を歩いていた陸奥の背を突き飛ばす。事前に話し合った通りに陸奥は気絶した振りをして床に転がる。
「そして今もこうして二人地に転がっている。人とは変わらない生き物ですね」
寝転がっている陸奥の頭に乗る銀時の足。そこまでやれば相手も気を緩ませるだろうと思っていたのだが、顔面ぐちゃぐちゃ野郎が何故かじっとこちらを見つめていた。
「な、なんだ……バレたか!?」
『さあ……不審がられてるみたいだけど』
「まじかよ」
このままではあの男の警戒が解けない。銀時には何もするなと言われたが、今はこの場をどうにか切り抜けなければ。
暫し考えた結果、持っていた槍を陸奥の顔スレスレのところへと突き刺す。刃先が当たるか当たらないかギリギリの近さに銀時はサーっと顔を青くさせ、見ていた辰馬は怒りの表情を浮かべた。
『……やりすぎた?』
「当たり前だろうが!怪我したらどうすんだよ!」
『傷つけないように加減はした』
ボソボソと相手に聞かれないように喋っている中、辰馬がブチ切れて艦長に頭突きしたのが見えた。
『辰馬が本気で怒ってるの久しぶりに見たわ』
「そりゃ仲間が馬鹿にされれば誰だって怒るだろうよ」
『その仲間が足蹴にされてたけどな』
「仕方ないだろ!これは演技なの!それを言ったらお前だって槍突き刺してるじゃねぇか。明らかにアイツが怒ったのそのせいだろう」
『演技だから仕方ない。後で説明して謝るから』
天人たちに武器を突きつけられていても怯えることなく辰馬は艦長を見据える。
相手が辰馬に集中しているおかげでこちらは自由に動けそうだ。
『陸奥』
「わかっちょる」
パチッと目を開けた陸奥は落とした笠を拾いあげる。ほんの一瞬で辰馬の周りにいた天人達は陸奥に殴られて倒れていく。その手際の良さはぼうっと見とれてしまうほどだった。
『……なんか似てるんだよな』
「何が?」
『陸奥のあの感じ、誰かに似てると思わないか?』
「似てる?誰にだよ。あんなカミソリみてぇなのウチにはいません」
銀時にそう言われたものの、海の中では何かが引っかかっている。
『似てる気がするんだけど……でも、まさかな』
なんとなく神楽や神威に似ている気がする。戦い方が酷似しているというのもあるが、人間離れした体力や腕力が特に似ているのだ。
でも、それくらいであれば地球にもゴロゴロといる。一番ぶっ飛んだ性能をしているのは人間の方かもしれない。
例えば、ストーカーにブチ切れた女性とか。
.