第237幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「海!!」
『ん?ああ、こっちは何ともない』
「あ、そ……心配させんじゃねぇよ」
天人共を蹴散らし終わったところへと銀時が飛び込んできた。服に所々血がついているところからして、銀時も船員と交戦したのだろう。
『そっちは大丈夫なのか?』
「俺はなんとも……って、おい!陸奥、お前……!」
「騒ぐほどのものじゃない。それより手を貸せ」
刀を持っていた海と違って陸奥は素手と銃。弾が無くなれば自然と肉弾戦になるわけで、そのせいで陸奥は頭からダラダラと血を流していた。
心配している銀時を余所に陸奥は倒れている天人の服をむしり取って海たちの足元へと投げ渡す。
「それに着替えろ。このまま行けばヤツらはバカを人質にしてくる」
「いや、もう人質になってるんだけど?」
『敵の目を欺こうって?』
「ああ。おまんらは船員になりすましてわしを捕らえたフリをしろ」
『そうすれば油断が生まれる、か。わかった』
「わかったじゃねぇよ!お前何賛成してんの!?このまま辰馬を助けに行けばいいだろ!」
『人質に取られてるんだからこのままいっても何も出来ないだろ。辰馬の首元に刃物突きつけられて、武器を捨てて降参しろと言われて終わりだ』
人質救出がどんなに難しいことかは海が一番知っている。警察に身を置くようになってから度々関わる案件だからだ。
出来ることなら煙幕などの視界を遮ることの出来るものが手元にあれば良かった。そうすればある程度ならこちらが有利な状態で立ち回れる。人質がただの一般人ではないからできる事だけど。
「おい……本当にやんのかよ」
『それしか方法は無い。辰馬の首が飛んでもいいっていうなら強行突破するけど?』
「やめてください。つか、お前は何もすんなよ?」
『なんで?』
「海は変に演技が上手いんだよ。相手を騙すのにはいいかもしんねぇけど」
『なら問題ないだろ。あちらさんが手を抜いてくれるんだから』
「そりゃそうかもしんないけどさー」
着替え終わってもなお銀時は納得いっていないという顔で艦内を歩く。
『じゃあ、俺は何もしないから。あとは銀時に全部任せるわ』
「何言われてもだからな?」
『はいはい』
「……ほんとに何もすんなよ?いいな?」
『わかったって言ってるだろうが。しつけぇ』
「お前の癖知ってるから不安なんでしょうが」
ムッとする銀時に小首を傾げる。癖ってなんの事だ。
.