第236幕
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入れ替わり事件から数日後、屯所内はいつも通りの空気が流れていた。
門の前にズラリと並んでいたバイクは全て撤去され、隊士たちの隊服も新しいものが支給された。その際に松平から一言二言文句を言われたが。
『この書類は近藤さんの方に流してくれ』
「はい!」
たまりたまった書類を仕分けて隊士へと手渡す。
書類を持って部屋を出ていく隊士の姿を見て、海は小さく息を漏らした。
『いつになったら戻るんだコイツら』
出て行った隊士は身体に茶色いものをくっつけている。隊士、というかうんこが歩いていると言っても過言ではない。
そのせいで屯所の中は酷い悪臭が漂っていて、人が集まる会議室や食堂なんていけたもんじゃない。
なんとか人気の無い所へ行こうとしても、臭いというのは風に乗って飛んでくるものだ。それに副長補佐である海に何かと隊士たちは声をかけてくる。どれだけ逃げても彼らは追いかけてくるのだ。
『うぜぇ、臭ぇ……』
見た目だけなら百歩譲って許せる。でも、臭いとなると我慢できない。
「あ、海さん。この書類なんですけど」
『それ以上こっちに来るな』
「何言ってるんですか。これ海さんの方で処理してくだせぇ」
『お前わざとやってんだろ!』
ふらりと海の部屋に来たのは総悟。手に持っている紙をヒラヒラと揺らしながらジリジリと部屋の中へと踏み込んでくる。鼻につく異臭に顔を顰めつつ、総悟を部屋から追い出そうと刀を手に取った。
『それ以上こっちに来たら斬る!』
「そりゃひでぇ。俺だって好きでこんな状態になったわけじゃないのに」
『なら早く戻してもらえよ!源外のところに行けば機械があるだろうが!』
「それがそう簡単に直せるものじゃないらしいんですよ。元に戻そうにも余計なもんがくっついたまんまなんで、それごと元に戻っちまう」
『知るかそんなもん。だったらその余計なもん取り払えばいいじゃねぇか!』
はぁ、とわざとらしくため息をつく総悟。ため息をつきたいのはこちらだというのに。
「海さんは入れ替わってないからいいじゃないですか。俺たちはあれから色々と大変だったんですぜ?」
『どうせ好き勝手に動いて巻き込まれにいったようなもんだろうが』
海は途中で朔夜の身体を探しに行ったから最終的にどうなったのかは知らない。気づいたら銀時と土方は元に戻っていた。
巻き込まれたヤツらがうんこの姿で帰ってくるとは思わなかったけれど。
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