第236幕
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『それで?なんでアイツらにも機械を使ったんだよ』
「同じ立場になれば分かるもんだろう。それにあの機械の性能も試したくてな!銀の字と鬼の副長さんのデータじゃ使いもんにならなかったんだ」
『だからってあの場にいたヤツら全員を機械にかけなくてもよかっただろうが!』
朔夜の身体を探していた途中で源外とたまを見つけた。良いデータが取れたと言って喜んでいる源外を捕まえて文句を言っているところである。
「ふん。物作りをしねぇヤツにはわからねぇことだ。世紀の大発明には多少の犠牲が伴うもんなんだよ」
『何が大発明だ!街の隅っこにある寂れた店で何が作れるっつうんだよ!』
「お前、カラクリをバカにしてんのか!?」
「海様、源外様、そこまでにしてください。今はそんなしょうもない喧嘩をしている場合じゃありません」
自分は悪くないとふんぞり返る源外に海が右足を上げかけたとき、たまが落ち着いてくれと間に入ってきた。
たまが抱っこしている黒猫を見てハッと我に返る。まだ言い足りないところだが、こんな所で無駄に時間を費やしている暇は無い。
『朔夜の身体を探さねぇと』
「お手伝いいたします」
『悪い。そこら辺探してみたんだが中々見つからなくて』
「中身は猫なんだろう。マタタビでもなんでも置いておけば寄ってくるんじゃねぇか?」
『それじゃ街中の猫が集まってくるだろ』
「"猫"ならいいじゃねぇか。お前さんが探してるのは猫の意識が入った"人間"だろう」
『ああ、そういうことか』
「わかったのならさっさと行ってこい。こっちもこっちで忙しいんだ」
『忙しくしたのは自分のせいだろ』
機械の性能を試したいからといって何人もの人間を入れ替わらせたのだ。彼らを戻すのにも手間がかかる。そうなったのは源外のせいだというのに、本人は面倒くさそうにため息をついていた。
「海様、どこに猫をおびき出しますか?」
『確か近くに広場があっただろ。そこに撒く』
「わかりました。マタタビはこちらで用意しますので、海様は先に広場の方へ」
『頼む』
たまから黒猫を受け取って広場へと歩き出す。
「僕、元に戻れる?」
『身体さえ見つければな』
「坂田さんたちの方は大丈夫なの?」
『さあ……どうなったんだか』
今頃、あの化け物から魂を取り出している頃だろう。あれだけ人のことを振り回したのだからちゃんと元に戻ってくれなければ困る。
『はぁ……やっぱあの二人は面倒事しか起こさないな』
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