第234幕
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「疲れちゃったの?」
『てめぇらがダラダラしてるからだろ』
「だからってそんな不機嫌丸出しにしなくてもよくない?別に海が入れ替わってるわけじゃないんだし」
『振り回される身にもなれ。早くあの化け物から魂だかなんだかを抜きとれよ。それで全部解決するだろ』
「そりゃそうなんだけど……そう簡単にいくかねぇ」
草むらの中に海を引き込んで抱きしめる。疲労困憊状態らしい海は反抗することなく大人しく銀時の腕の中に納まった。
『もう疲れた』
「はいはい。休んでていいから。悪かったな、付き合わせて」
ぐったりとしている背中を撫でていると海はそっと銀時の側を離れた。
「海?」
『……違う』
「うん?何が?」
『なんか……嫌だ』
再度、海に手を伸ばしたが叩き落とされて銀時の手は空を切る。何が嫌なんだと聞いても相手は唸るだけで答えようとしない。
「海?どうしたんだよ」
『早く元に戻せ。見た目と中身が合わないのがムカつく』
「ムカつくってなに!?一番ムカついてんの俺の方だからね!?」
『意味わかんねぇんだよ!言動はお前なのに見た目が土方だから頭が追いつかねぇんだよ!』
「それは……」
『違うんだよ……俺は……』
「あー、うん。そりゃ混乱するよな。悪い、この格好でいつもの様に接してたら戸惑うわ」
海の言いたいことが何となくわかった。むしろ今まで気づかなかった己に少しばかり反省。
そりゃ戸惑うに決まってる。恋人が突然、別人に変わっていたら誰だって困惑するだろう。それなのに銀時はいつもと変わらず海に触れていた。好きでもないやつにベタベタ触られたら誰だって嫌だ。
かといって、銀時の中身は土方だから銀時らしくない行動をする。
海の中でそれらが噛み合っていない。ここまで疲れてしまっているのは毎回身構えてしまっているからだ。銀時なのに銀時じゃないという違いに。
「すぐ戻るから。待ってて」
俯いたままこちらを見ようとしない海に苦笑を漏らす。下がっている頭を撫でようと手を伸ばしたが寸前の所でやめた。
「(触れないって辛いわ)」
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