第259幕
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「朔夜くん!!」
「新八さん……無事だったんだ……」
総悟を追って崖を降りるとそこには新八らがいた。今度は銀時が男とやり合っている。
「朔夜くん怪我は!?あの人一体……」
「分からないんだ……急に現れて総悟たちを一瞬で……なんか誰か探してるみたいだったけど」
「誰かって誰?」
「わかんない。"あの者の子"って言ってた」
誰かの子を探すためにここへ来たと男は言っていた。こんな場所に子供なんて朔夜たちくらいしかいない。そうなると一体誰を探しにこんな所に来たのか。
「……坂田さんはなんであんなやつと渡り合えるの」
目の前で繰り広げられる戦いに朔夜たちは見守ることしか出来ない。下手に助太刀に行けば銀時の邪魔をしかねないし、自分が殺されるかもしれない。それにあの男とはもう対峙したくなかった。
「銀さん!!」
刃が砕け、左手を負傷した銀時は丸腰の状態。そんな銀時の首へと襲いかかる男の刀。
今出来ることと言ったら一つしかない。
銀時の首へと近づいていく刀を神楽が止め、男の空いている手を総悟が止める。そして武器をなくした銀時へと朔夜は自分の刀を投げた。
「坂田さん!!!」
受け取った刀で男を斬り、木刀で吹き飛ばす。これであの男はもう動けないはずだ。
「白夜叉。何度斬ろうとも逃れられぬぞ。お前があの時背負った業からは。天に抗う限りお前はあの男を殺し続ける運命だ」
「そんな……」
これで終わったと思った。あとは近藤たちを見つけてここから逃げるだけだと。
銀時に吹き飛ばされた男は瓦礫の中から出てきた。銀時が肩を斬ったはずなのに傷一つ見つからない。
「あの人……なんなの……人間じゃ……」
あれだけの傷が一瞬にして治るなんて有り得ない。あの男は人間でも天人でもなく別の存在。そんな相手にどうやって立ち向かえと言うんだ。
「だから言ったでしょう。君の剣じゃ私は斬れない」
不敵な笑みを浮かべる男へと船が落ちてくる。だが、それはなんの意味もなかった。燃え盛る火の中でも男は無事なのだ。
「おかしいよ……あんなの相手出来るわけないよ」
「朔夜!逃げるぞ!」
「総悟……」
「俺たちは近藤さんを助けに来たんだ。忘れるな」
あの男を相手するために来たわけじゃない。船の落下の混乱に乗じて新八たちはこの場を逃げ出し、その後を朔夜も追った。
「朔夜!」
「な、なに」
「あいつには……海にはあの男のことを話すな」
逃げている道中、銀時は先程の出来事を絶対に海に話すなと言ってきた。理由を聞いても銀時はただ話す必要は無いと言うだけ。
「でも、ここにいる限りまた会うんじゃ……」
「そうなる前にここを脱出する。絶対にさっきの男に会わせるな!」
銀時はそれだけ言うと黙り込んだ。あの男について何か知っていそうだったが、今の雰囲気では聞けそうにない。
「(坂田さんはあの人のこと知ってる……きっと兄さんも)」
だから海に会わせるなと言っているのだろう。相手は銀時に対して敵対していた。きっと海と会ったとしても剣を向けるはず。ならばここは銀時に従って話さない方がいい。
海があの男に殺されるのは見たくないから。
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