第257幕
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「思った通りだ。あっちでも何か起きてやがる。あの厳戒態勢を正面から突破するのは無理だ。大型船を捨て、緊急用小型艇に乗り換えて正解だったな」
「てめぇらが暴れすぎて船沈めちまっただけだろーが!なんであんな所まで手漕ぎで行かなきゃなんねぇんだ!」
『……悪い。ちょっとハメ外しすぎた』
「いやっ、お前だけが悪いわけじゃ……!」
「なに海のこと泣かしてんの?」
「泣かしてねぇよ!!」
『泣いてもいねぇよ』
奈落に襲撃された時点であの船はもう航行不能だった。追い打ちを掛けたのは確かに海たちが暴れたせいだが。
「戦況は刻一刻変化してんだヨ。モタモタしてたらてめえの大将、首になっちまうアルヨ。グズども」
「てめぇらはいいよね!変なチャイナモーター付けてっから!こっちの身にもなれよ!てかなんでてめぇはそっちの船に乗ってんだよ海ィ!」
『銀時に乗れって』
「おめぇのよく分かんねぇ船に乗せられるわけないだろう。そんなエイリアンとよく分かんねぇアフロと一緒に乗っけたら海の胃がもたねぇよ」
土方の船に乗っているのはエリザベスと斎藤。あの中に乗り込むのはどうも気が引ける。でも他の所に行くのもなんか違う気がしてうろうろしていたら銀時に手を引かれてこの船に乗ることになった。
「海くん、船酔いとかは大丈夫?」
『大丈夫。お妙さんは?』
「私は大丈夫よ」
なんともないとニコリと笑うお妙に海も微笑み返す。だが、その顔は瞬時に真面目な表情へと変わった。
『なんでここに来たんだ?危ないことは分かってるだろ』
「分かってるわ。でも、家で一人待ってるのも嫌なの」
『これは単なる小競り合いじゃない。さっき土方が言ったように、俺たちについて来れば国家反逆罪として大罪人になる。無事に戻れたとしても家には帰れないし、江戸に帰るのだって難しくなるぞ』
「それでもよ。例え家に江戸に帰れなくなったとしても私は銀さんたちについて行くわ。でなければ私が私を許せないもの」
誰に何を言われても決して変えることの無い強い思いでお妙は真っ直ぐ海を見つめる。
『あっそ。なら俺らから離れないようにすることだな。じゃなきゃ首が飛ぶ』
「そうするわ。ねぇ、それより海くんいつもより口の悪さが目立つのはなんでかしら」
「あ、こいつ口悪いから。今まで猫かぶってたけど」
「あら、"黒猫"だけに?」
『お前らそれ以上無駄口叩いてるならシバくぞ』
「口の悪い海くんも中々ね。いいと思うわ。これでこそ強気受けよ」
にっっこりと笑うお妙に何故か鳥肌が止まらず、海は口元を引き攣らせながらそっぽ向く。
「おい、あんま海で遊ぶんじゃねぇよ」
「遊んでないわよ。ちょっとからかってるだけじゃない」
「それが遊んでるって言ってんだよ」
もうとりあえず早く帰りたい。近藤さんらを見つけて早く。
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