第257幕
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元を絶たなければ終わらない。
『仕方ねぇ……ここは任せるしかないな』
次の弾が飛んでくる前にあの船を操っている者らを潰さなくては。怪我をした小銭形に付き添っている土方を一瞥してから海は相手の船の方へと飛び乗る。その時、誰かに見られているような気がして背後の船を見た。
『なんでまたここに居るのやら』
海たちに手を貸すということは国家反逆罪に等しい。そんなことをすれば江戸には帰れないだろうし、指名手配として国を追われる可能性だってある。
『馬鹿な集団は真選組だけじゃないってことな』
煙の中に佇んでいた銀髪に海は苦笑いを零し、飛び込んできた奈落を一人一人斬り伏せていく。
「海!!」
『遅い!』
暫く奈落を相手したら土方もこちらへと飛び乗ってきた。そのタイミングで銀時も来たらしく、怒られている土方を指差しながらニヤニヤと笑っていた。
「ぷぷー!怒られてやんのー」
「てめぇは黙ってろ!つか、なんでここにいやがる!」
「なんでってそりゃ祭りがあるなら誰だってくるだろうが」
「てめぇらここに来た意味分かってんのか!俺たちと行けばてめえらももうこの国には!」
「どのみちもう戻れねぇさ。どうやら俺たちゃいつの間にかそういう所まで来ちまったらしい。今更俺たちだけじゃ引き返せねぇ所まで。俺たちにもし戻る所があるならば、そこはお前らもいる場所だ」
奈落とやり合っているうちに海と銀時と土方は互いに背中合わせで立っていた。周りはゾロゾロと奈落が集まり海たちを囲う。
『お前らって案外仲いいよな』
「なんでそうなるわけ?今の話でなんで俺と多串くんが仲がいいってなるの!?」
「誰が多串だ!海、てめえ勘違いしてんじゃねぇぞ。こんな奴と仲良くなったってなんの意味もねぇからな!」
『はいはい。仲良いのな。このまま親友とかになってくれればこっちは大助かりなんだが』
「「誰がこいつと!!」」
『ハモるなうぜぇ』
喚き散らす二人へと振り下ろされる錫杖。互いに文句をぶつけ合うのに夢中になっていて気づいていない。
『おい』
「なにしやがんだ!」
「ちょっと海!助けるならもっと優しく──」
『いい加減にしろよ。てめえの命ぐらいてめえでなんとかしろ。こちとら遊びに来てんじゃねぇんだよ』
「「は、はい……」」
二人の横にどさりと落ちたのは奈落の首。青ざめた顔で銀時と土方は海の様子を伺い、かたかたと身体を震わせた。
『やる気がねぇならそこから動くな』
「お、おい、海!」
銀時の声を聞かずして海は奈落の集団へと突っ込む。
「アイツまた一人で……!」
「待て!」
「あ!?」
「いつもの事だから」
「いつもってなんだ!てめえは海の事が心配じゃねぇのかよ」
「そりゃ心配してるに決まってんだろうが。また一人で好き勝手動き回りやがって」
「それならッ!」
「でも、海はそっちの方がいいんだよ」
「は?てめえ何言って……」
「あいつは敵の撹乱をするやつだから」
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