第257幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『お前ら何か勘違いしてないか?俺はもう副長補佐の任は解かれてるはずだが』
土方に攘夷志士だと打ち明けた。その場には隊士たちもいたのだ。全員が海の過去を知っているはず。
それなのに前と変わらぬ態度で海に接してきている。
「あれ?おかしいな。俺はそんな話聞いてやせん」
『聞いてないも何も無いだろ。俺は攘夷志士だったとお前らの前で言った』
「ああ。それですか。ええそれは聞きました。それで?」
『それでって……』
「こんな非常時に攘夷志士もなんもありませんよ。それにここにいるヤツら全員、海さんが副長補佐降りるなんて認めてないですぜ?」
隊士たちは総悟の言葉にうんうんと頷く。
なんだこれは。海が予想していた反応と全く違う。自分はもう副長補佐を解かれて攘夷志士として認識されていると思っていた。自分が戻るところはないと。
『……ふざけんな。お前らそれどういう意味で言ってんだ』
「どういう意味も何も……海さんは変わらず俺たちの仲間ですよ。ね、土方さん」
土方の前を空けるように隊士たちが左右に動く。タバコを吹かしていた土方は真っ直ぐ海を見つめる。
「ということだ。諦めろ」
『諦めろじゃねぇよ。お前らバカじゃねぇのか?天下の警察に攘夷志士が紛れ込んでたんだぞ?今までお前らを騙してたヤツを仲間だなんてよく言えるな!』
「だからなんだ。てめぇは攘夷志士としてウチに害をもたらしたか?桂や高杉のようにテロを引き起こして民に怪我を負わせたか?」
『それは……』
「てめぇの働きは知ってる。ウチのもんとして精力的に働き国民を守った。時には天人を相手にし、時にはかつての仲間だったやつらも捕まえた。お前は立派に"警察"やってただろうが」
『それが……偽りだったとしたら?』
「そんときは俺がたたっ斬る。だが……そんな顔してるやつが俺らを騙してるようには見えねぇよ」
『そんな……顔って……なんだよッ』
「心底安心して泣いてるようなやつ。俺が斬るとでも?」
ポタリと雫が地面に落ちる。
『バカじゃねぇのか……お前ら国一番のバカ集団だろ』
「よく言われる。そんなバカ集団に付き合ってきたのはお前だろ」
一度流れてしまえば止めることは出来ず、ボロボロと涙が零れ落ちていく。
まだ、自分は彼らと一緒に居ていいのだと。
『ほんとに大バカ野郎だわ』
まだ帰れる場所があった。こんな自分を切り捨てることなく仲間だと言ってくれる奴らがいる。
ここに。真選組にいても構わないと言ってくれる。
「あらら。土方さんなに海さん泣かしてるんでい」
「な、泣かしてねぇよ!そいつが勝手に泣いたんだろうが!」
「土方さんやめてください。兄さんにそれ以上近づかないでください」
「なんなのお前ら!!」
「海さん大丈夫ですぜ。怖いマヨラーは俺たちでやっつけときますから。死ね土方」
「そうだよ。だから兄さん泣かないで。土方さんは後で海の藻屑にしておくから」
「ねぇ、なんで全部俺が悪いみたいになってるの!?お前らだって声掛けたんだからそれのせいじゃないの!?」
「「死ね土方」」
「抜け!!お前らから先に斬ってやるよ!!」
刀を抜いて総悟と朔夜に向けている土方を隊士らはゲラゲラと腹を抱えて笑う。そんな騒がしさに海もつられて笑った。
『ははっ……なんだよ転職先考えなくても良いじゃねぇか』
ここにいさせてくれるならもう必要ない。自分の居場所は
.