第256幕
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『攘夷志士たちのことはこっちに任せろ。真選組の足を引っ張ることなく近藤さんと桂の救出に尽力をつくそう』
「海ッ……!」
『そちらの隊の方は頼みましたよ。副長さん』
土方と他の隊士たちから見られながら海は銀時と共に屯所を出る。屯所から離れた所でホッと息を吐いた。
「ちょっと厳しく言いすぎたんじゃないの?傷心中の奴の傷口抉ってんじゃん」
『あれくらいやらないと立たないだろ』
「ナニが?」
『先にお前の頭を吹っ飛ばしてやろうか?』
「すいません。でも、本当にいいの?黙ってれば真選組に居られたのに」
『どうせいつかはバレる。今か後かの話だろ。それなら今を選んだ方がいい』
その方がまだ傷は浅く済む。今は海のことを考えるよりも近藤の救出の方が先だから。処遇の考えも頭の片隅へと追いやられるだろう。全て何もかも終わった時に海のことを思い出せばいい。
『でもなぁ……』
「ん?」
『銀、悪い。ちょっと』
「はいはい。よく頑張ったな」
広げられた腕の中へと海は身を委ねる。銀時の背中へと腕を回して抱きついた。
『あれで良かったんだよな……?俺間違ってないよな?』
「うん。良かったと思うよ。お前はよく頑張ったよ」
よしよしと背中を撫でられると段々視界が滲んできた。土方を傷つけてしまった罪悪感と真選組を自ら手放してしまった喪失感。それが一気に押し寄せてぐちゃぐちゃになる。
「あいつらはあいつらで何とかするだろ。海はもう気を遣わなくていいんだよ」
『銀……』
「大丈夫だから」
しがみつくように銀時の服を掴んでぽろぽろ泣き始める。銀時は黙って海の背中を撫で続けた。
そんな海の姿を土方が見ていたなんて気づかずに。
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