第255幕
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銀時が出ていき、神楽と定春もその後を追って家を出た。万事屋に残ったのは海と新八だけ。
「海さん……お茶でも飲みませんか?その……」
押し入れをそっと開けた新八は戸惑いながら海に声をかける。
「ご飯も食べないと……」
『それは俺も思った』
「え……えっ!?」
『一週間も断食すんのは辛いわ』
「えっ……えっ!海さん!?」
固まった身体をぐっと伸ばしながら押し入れから顔を出す。これでもかと目を見開いて驚いている新八に首を傾げた。
『大丈夫か?』
「それはこっちのセリフですよ!!」
『別に心配される覚えはないが……といっても無理あるか。しょうがないだろ。銀時がいる所で動けねぇんだから』
「どういう意味ですかそれ……」
『下手に動けば止められる。だから銀時が居なくなるまでわざと引きこもってた』
近藤が逮捕されたあと、海はすぐに近藤を助けに行こうと思っていた。だが、土方や総悟、その他の隊士らは呆然とした顔で屯所を見つめていたのだ。
こんな状態の彼らでは当てにならない。けれど一人で助けに行くのは無謀すぎる。
どうしたものかと考えている間にあれよあれよと話は進んでしまった。海の刀は銀時に没収され、隊士らは散り散りに。海は保護という形で万事屋に連れて帰られた。
万事屋に来たその日の晩は流石に食欲が出なくて食事に手をつけなかった。それが良くなかったのか、銀時は海の側から離れようとしない。そのせいで思うように動けず今に至る。
まさか一週間も見張られるとは思っていなかったと笑う海に新八は口をわなわなと震わせながら海を指さす。
「心配したんですからね!?ご飯も食べないし声掛けても喋らないし!もしかしてって!」
『もしかして死んだかもって?無理だろ。あんだけ付きっきりでそばにいられたらなんも出来ねぇよ』
「銀さんも心配してたんですよ!?神楽ちゃんだって……!」
『神楽は知ってる』
「え……?」
『こっそり話してたんだよ。銀時が便所行ってる時とかに』
「え゙」
『そのおかげで他の奴らがなにしてんのとかも一応把握出来てる。まぁ、一番動かなきゃいけない奴がヘタレてるみたいだけど』
「待ってください。なんで僕とは話してくれなかったんですか!」
『そんなの決まってんだろ。お前は顔に出やすいんだよ』
ゔ!と新八は唸ってガクッと項垂れた。神楽はそれとなくやってくれたが、新八の場合はバレる恐れがある。この状況下では仕方ないとはいえ、新八を無視し続けてしまったことは事実だ。悪かった、と一言謝ると新八は涙目で次からはやめてくれと懇願してきた。
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