第234幕
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朔夜に出撃準備をさせてから数十分後、街中ではヤンキー集団がバイクを鳴らしながら走り回っていた。
そうじゃないと言いたいところを飲み込んで、海は彼らの元へと駆け寄る。
「あれぇ?副長補佐じゃないっすかー!」
『山崎、その……猫型えいりあんは見つかったか?』
自分で言っておきながら、猫型えいりあんと言うのが恥ずかしい。猫のところだけ強調してあとの言葉は消え入りそうなくらい小さく発した。
「中々見つからないんすよねぇ。なんか色んなところに出没してるらしいっすよ、その猫型えいりあん」
『は?それはどういう意味だ』
猫型えいりあんは海が勝手に作り出したもの。それなのに山崎の言い方は実在しているかのような物言い。
「通報来てるんですよ。猫型えいりあんに襲われたって」
『…………えっ』
そんな馬鹿な。
『そ、そうか……』
「補佐どうしたんすか?顔色悪いですよ?」
『いや、大丈夫だ』
それだけ残して山崎に背を向ける。
適当に言った猫型えいりあんが実在していることが理解できない。
『猫……えいりあん?え?いやいや、おかしいだろ』
頭が全く追いつかない。そもそも猫型えいりあんってなんだよ。天人と似たようなもんだろうが。
「あっ……海!!」
『猫型がいるってことは犬もいるってことかよ。なんでもありじゃねぇか』
「おい!海!!前、前!!」
『うるせぇ!今お前らの相手してる場合じゃ……?』
銀時と土方に呼びかけられて顔を上げる。視線の先に居たのは二人ではなくて、白い身体のナニか。
『白い……猫……』
「お前は俺の事を知ってるのか?」
「海!!逃げろ!!」
気づけば地面に何人もの人が倒れていた。銀時と土方もボロボロな状態。
目の前に立っている白い猫も目玉が飛び出し、口から赤い液体を垂れ流している。
『お前がやったのかこれ』
「知らない。知らないんだ。俺は何も覚えてないんだ」
『ついさっきの記憶も思い出せないくらいその頭は何も詰まってねぇのか!!』
「ちょ、海ィィィ!?」
白い猫の腹を蹴り飛ばす。ごろごろと地面を転がった猫にとどめを刺そうとしたところを銀時に止められる。
「待って!アレ俺の半身だから!殺しちゃダメだから!」
『中身が無事なら大丈夫だろうが』
「死んだら魂消えちゃうでしょうが!」
『じゃあ、どうやって取り出すんだよ!』
銀時と言い合ってる中、土方が青ざめた顔で何かを指差す。
「お、おい……お前ら……」
『「あ?」』
銀時と共に振り返った先には白い猫。目玉をブラブラさせながらこちらへと全力で走ってきていた。
「海!!」
ドンッと肩を押されてその場に尻もちをつく。海を庇った銀時は白い猫にぶん殴られて近くの店へと突っ込んだ。
「お前は……俺のなんなんだ……」
『は……』
「ダメだ。全くわからん」
そう言って白い猫は海の身体を持ち上げて肩に担ぎあげる。
そしてそのままどこかへと飛んだ。
『もうどうにでもなれ……』
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