第224幕
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『それで?アジトは突き止めたけど、ここからどう動くよ』
「その前にお前なに?この体勢は」
銀時を後ろから抱きしめ、頭の上に顎を乗せて海は月詠たちに声をかける。
「なんでこうなってるわけ?」
『なんとなく』
「なんとなくで俺は抱きしめられてるのかよ」
『抱き心地が良くて?』
そう返すと銀時は顔を赤くして俯いた。
「おい、てめぇらイチャついてんじゃねぇよ」
『イチャついてはない。それよりどうするんだ?敵の本拠地を落としたはずなのに何も手に入らなかっただろ』
じとりとした目で月詠に睨まれたが、海は気にせず辺りを見渡す。
教徒たちを一人残らず捕まえたのはいいが、誰一人としてワクチンの在処を吐こうとはしない。それどころか教祖の居場所さえ答えないのだ。
『……監視カメラは全部壊したはずだよな』
「じゃねぇの?」
海たちの動向を探るための物は全て破壊した。もしや壊したことで相手にバレたのか。
『あれだけの事を言っておいて、かぶき町だけなんておかしいだろ』
でも、ここには教祖はいない。
「何が言いたいんだよ、海」
『監視カメラ以外のもので見張られてるんだよ。俺ら』
「は……?」
意味がわからないと銀時は首を捻ったが、答えはすぐに知ることとなった。
大量のモニターに映し出されたのは大司教。海たちが占拠したこの場所は正しく拠点であったが、攻め入れられる前に手放していた。
九兵衛の刀に取り付けていた盗聴器から海たちの話を聞き、捕まえられる前に地球の外に逃亡。今はもう地球を放棄してまた別の星へと向かっているのだろう。
そして、教祖は九兵衛こそがデコボッコ教の使徒に相応しいと呟いて、またかぶき町にかみさまを打った。
『……あれ、これお前ら……』
「僕達だけこのままなの!?」
街の人達は皆元の姿に戻ったが、海たちはデコボッコ教の拠点にいたせいで元に戻ることは出来なかった。
『お前らどうすんの?』
元に戻って喜ぶ人たちを見て青ざめる銀時たちに声をかけるも、彼女らはあんぐりと口を開けたまま固まっていた。
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