第223幕
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『監視カメラの数が多いな……』
銀時たちから離れたあと、海は一人でカメラの破壊作業に専念していた。
監視カメラの死角となる場所を探しては壊してを何十回と繰り返し、通りにあるカメラを全部処分。その場に放置してはバレてしまうため、一つ一つ回収しているのだが、その量が尋常ではない。
『普段気にしてなかったけど、こんなに設置されてるもんなんだな』
犯罪の抑止力、そして犯罪が起きた時に証拠として残せるという理由でいくつもの監視カメラが設置されているのだが、ひとつの街にこんなにも設置されているなんて思わなかった。
かぶき町の治安があまり良くないというのが目に見える。
『この町にヤクザだの攘夷浪士だの集結してるもんなぁ。問題が起きるのはいつもこの町だし』
この町は偏りがすごい。それともそういう連中がかぶき町に引き寄せられているとでも言うのか。
民家の屋根から下を見るとまさに目の前で喧嘩が始まっているのが見えた。
「あんたのせいでこうなったじゃない!」
「お前がかぶき町に行きたいって言ったから来てやったんだろうが!」
男女の諍いを何気なく見つめる。きっと彼らもデコボッコ教のせいで性別が逆転してしまった被害者なのだろう。
怒鳴り散らしている男が女の胸ぐらを掴んで揺さぶる。女の方も怒ってはいるけど、男には一切手を出さずに我慢していた。
彼は一頻りそこで騒いで去っていく。その背中を女はじっと見つめて。
『早く戻してやらねぇと可哀想だな』
こんなことに巻き込まれなければ彼は楽しい一日を過ごしていたはず。落ち込む女を不憫に思いながら海は次のカメラを探すべく屋根の上を走った。
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