第222幕
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「ヤツらがテロ活動にも似た過激な布教活動を展開しだしたのはそれからさ。そう、あの光は神の裁きなんぞじゃねぇ。攻撃型人口衛星から発射されたホルモンを逆転させるウイルス。全てはただの薄汚え人間たちがしでかしたことってわけだ」
「しかし、なぜわざわざ薄汚え豚なんかに……」
「誰が薄汚え豚だ!」
ウイルス自体の耐久はそんなに強くはない。空気感染、そして人同士の接触感染の心配もないとのこと。
『直接そのウイルスを浴びることがなければ変わることはないってことか』
「そういうことだ」
「なら海が女になる心配はないってことだよな?」
銀時がホッと胸をなで下ろしている中、九兵衛もお妙が男になることは無いと知って安心していた。
『元の身体に戻るためのワクチンはあるのか?』
「あるはずだ。だが、元である衛星の方はどうにもなるまい。異変が起これば自動的に地球にウイルスが発射されるシステムらしい」
『そのウイルスを弾くことは出来ないのか。地球に届かせる前に』
「そんなこと出来るなら最初からやってる。あの光を弾ける程のものは地球には存在しねぇ」
『打つ手なし、か』
ワクチンを入手したところで、元を絶たなければ同じことの繰り返しになる。性別を変えてしまうほどの威力を持つウイルスを何度も浴びたら人体に影響が出てくるはずだ。
「……海?」
『そのデコボッコ教とかっていうのに目をつけられなければいいってことだろ?』
ヤツらに勘づかれる前に根城を見つけ出す。人口衛星を止める方法を聞き出してワクチンも手に入れる。
『わかった。まずはアジトを見つけるのが先だな』
「ちょ、おい!もしかしてお前一人で行くつもりか!?」
通りへ出ようとしたところを銀時に止められ、海は振り返る。
『一人でやるわけじゃねぇよ。でも、今の状態だと俺が動いた方がいいだろ』
「なんでそうなるわけ!?」
『その身体で無理はしない方がいい』
「は?」
いつもより低い位置にある頭へと手を乗せて呟く。きょとんとしている銀時に海は柔らかい笑みを浮かべた。
『今、銀時は女なんだから。何かあったら危ないだろ?』
「いや、それは……」
『だから大人しく待ってて。監視カメラ片付けたら声かけるから、な?』
ぼうっとしている銀時を抱き寄せて耳元で囁く。細い体はぴくんっと跳ねた。
『じゃ、行ってくる』
「え……あ、」
ここから離れるなよと一言残して、海は監視カメラを壊すべく街へと出た。
『……なんか、すげぇ恥ずかしいんだけど』
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