第221幕
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「デコボッコ教って聞いた事ありませんか?宇宙で広域指名手配されている過激宗教団体ですよ」
『そこまで把握してない。そんなもんあるのか』
宗教なんて把握しきれないほどある。それを一つ一つ調べるほど海に暇は無い。
「その中心メンバーは両性具有。つまり男でも女でもある人達からなっていて、それゆえに"性"に対して厳粛な教義を掲げているんです。要するに男らしくない男、女らしくない女には天罰が下ると……あちこちの星で布教活動を行っているって聞いてたけど、まさかこんな……」
『人の性別を勝手に変えるのが天罰ねぇ』
「僕たち戻れるの?」
『その為にはそのデコボッコ教の信者を探すしかない』
「んなこと言ったってよ。連中の居所はおろかこの街から出ることもできねーんだぜ?」
「え、でも僕たち──」
「あ?なんだよ」
『なんでもない』
屋根を伝ってかぶき町に侵入したなんて言ったら何を言われるか分からない。朔夜が変なことを口走る前に口を塞ぎ、訝しげにこちらを見る銀時にはぎこちない笑みを向けた。
「それにいつも私たちを見てるって言ってたからきっと監視の目も行き届いているはず。下手な行動は地球全体を危険にさらすことになるわ」
監視の目。それはきっと町中にある監視カメラの事を差すだろう。前には無かったはずの監視カメラが至る所に設置されていて不思議に思っていたが、今ので理由が分かった。
「まぁ国教だの何だのは政府に任せるとして、まず俺たちの問題は……オシッコどうすんの?」
「どーでもいいだろ!」
「いいわけねーだろ。どこに監視の目があるか分かんねーんだ。とりあえず問題が解決するまでは女らしくしねーとダメなんだよ。今オシッコ覚えときゃ、もしオシッコしてる時に間違ったオシッコの人見つけてもこっちから正しいオシッコを教え──」
「もういいわ!どんだけオシッコ言うんだこの人!」
「兄さん、」
『ん?』
「僕……厠行きたい……」
朔夜の言葉にピシッと固まる。
『行ったんじゃなかったのか?』
「行ったけど、どうすればいいのかわからなくて……」
「仕方ない。私が教えてやるか」
そう言って立ち上がったのはゴツイ男。
『銀、こっちは誰』
「神楽。なんかやたら成長してるんだよ」
『成長とは言わないだろこれ』
随分と大きくなって……というか、大きくなりすぎ。
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