第221幕
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『それで?この状況どうするんだ?』
「どうするもこうするもねぇだろ。女らしく、男らしくしねぇと元の身体に戻れねぇなんて」
「でも、本当にどうするんですか?銀さんも朔夜くんも変わっちゃって……」
「そこだよ!朔夜が変わってんのになんで海はそのままなんだよ!」
『城に行ってた。だから変わってないんだろ』
「仕事忙しそうですね」
『そこそこな。一先ず……こいつの服をどうにかしねぇと』
引っ付いている朔夜の頭をぽすっと撫で、海は周りを見回す。町民たちは混乱に陥っていて店などもまともに機能していない。それでもどこかで今の朔夜の体格に合う着物を探さなくては。
「適当に帯締めればいいんじゃねぇの?」
『やったことねぇからわかんねぇんだよ』
「あー……おい、朔夜こっち来い」
「えっ……ちょ、坂田さん!」
朔夜の腕を掴んで銀時は薄暗い路地へと入っていく。そこでなにかゴソゴソと朔夜服を弄ってから表に出てきた。
「これでいいんじゃないか?」
「わー!すごい!」
『手馴れてることにびっくりなんだけど』
「そ、そりゃこれくらい誰でも出来るだろうが!」
自分の着物の帯なら出来るが、誰かの服となるとまた話は違ってくる気がする。しかも女性のとなるともっと難しい。それなのに銀時はササッと手直しをした。
『……よくあの紐でこんな結び方出来たな』
「女なら多少は可愛げあった方がいいだろ」
海が適当に結んだ紐は可愛らしくアレンジされている。手先が器用だとこんな事も出来るのか。
「ったく、これからどうしろっていうんだよ。これじゃJKにしかなれねぇだろうが」
『JK?』
「女子高生。こんな可愛くなっちゃったらそれくらいしか出来ねぇだろ」
「いや、あんたなにその姿満喫しようとしてるんですか」
「あ?そうしねぇと戻らねぇっていうなら仕方ねぇだろ!おい、朔夜てめぇも同じだからな?」
「僕もじぇーけーやらないといけないの!?」
「そういうわけじゃねぇけど。つか、お前年齢的にJCだな」
「じぇーしー?」
「女子中学生」
「いや、そんなのわかんねぇよ!!銀さんあんた楽しんでるじゃねぇか!」
色んな単語が飛び交う中、海は一人先程の青年を探していた。九兵衛と同じ格好していた彼はデコボッコ神を見た時、唯一反応していた者だ。彼からならなにか話が聞けるかもしれない。
「兄さん?どうしたの?」
『さっきの男……多分、九兵衛だと思うだけど。ちょっと話を聞きたくて』
「柳生さんならあそこにいるよ!」
朔夜が指さしたのは人混みの中。そこには倒れたお妙に手を差し出している青年の姿があった。
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