第219幕
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追跡中である岡っ引きと連絡を取りながら海ばバイクを走らせる。
パトカーであればサイレンを鳴らしながら移動できるが、海が乗っているバイクは警察車両ではなく普通のバイクだ。これでは思うように進めない。
かといって一々車の後ろについている余裕もなかった。
『朔夜』
「なに?」
『しっかり掴まってろ。車の横をすり抜けるから』
急ぐにはこれしかない。法定速度ギリギリの速度で走り抜ければ追跡中のパトカーに追いつく。
だが、その分危険が伴う。あまり使いたくない手だがいたしかたない。
『絶対手を離すな』
「うん。わかった!」
腰に朔夜の腕が回ったのを確認してから速度を上げる。いくつもの車の横をすり抜けていく度に朔夜の腕に力がこもった。こんな事になるならバイクで来なければよかったかもしれないと後悔。
『これなら車で来た方が良かったな』
「そんなことないよ!僕、初めて車以外の乗り物に乗ったんだ。すごく楽しいよ!」
言葉とは裏腹に身体は震えている。バイクから伝わる振動もあるのかもしれないが、怯えから来ている震えでもあるだろう。
『もう少しで追いつくから。それまで我慢出来るか?』
「大丈夫。兄さんのこと信じてるから」
怖い思いをさせているというのに朔夜は文句一つ言わないで耐えている。早くパトカーに追いついて速度を落とさなくては。
『(焦るとダメだ。気をつけねぇと)』
焦りは手元を狂わせる。今は朔夜の命を背負っている状態なのだ。
気を抜けば自分も死ぬ可能性がある。事故で死んだなんてシャレにならない。
バイクの危なさをしみじみと感じながら、土方と銀時に対して怒りを募らせていく。そもそもあの二人が強盗を捕らえていればこんな事にはならなかったんだ。
いつも強盗よりもヤバイ奴らを相手しているのになんで今日に限って大人しく人質に徹しているのか。
二人ともじっとしていられるような性格でもないのに。
『(考えるのは後だ。今はパトカーに追いつくことに集中しねぇと)』
じゃないとイライラしてくる。
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