第218幕
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現場に到着した海たちは岡っ引きから状況説明を受け、首を傾げた。
『人質の中に警察が?』
「はい。そのようでして……」
『誰かまではわかってるのか?』
「そ、それが……」
岡っ引きは忙しなく目を動かして歯切れ悪く呟いた。
「真選組副長……と」
『……は?』
副長?
「土方さんが人質になってるってことですか?」
「はい……。もう一人の方は誰だか分からないんですけど、人質にされてた人達からの証言では"銀髪の男"だったと」
副長と銀髪の男。そこまで言われれば誰が人質になっているのかは簡単に予想出来る。
「兄さん、あの人たちなら大丈夫じゃない?他に人質になってる人はいないんでしょ?なら放っておこうよ」
朔夜がそう言いたくなるのもわかる。まさかあの二人が人質になっているなんて思わなかったから。どうせまた自分から首を突っ込んで行ったに違いない。
『なんかもうめんどくせぇな』
「えっ、でも、」
戸惑う岡っ引きを後目に海はため息を零す。土方がいるのであれば自分らは手を出さなくて良さそうな気がして。
「桜樹副長補佐!」
『今度はなんだ』
別の岡っ引きが血相変えて走りよってくるのをかったるそうに見つめる。彼は息を切らしながら今来た連絡を途切れ途切れに話した。
「ほずみ銀行で銀行強盗が……!」
『それで?』
「さ、三億円奪って……逃走中とのことです……!」
「兄さん……」
『何やってるんだあいつらは!』
まさかの現金強奪に頭を抱える。人質が人質だからそんな大事にはならないと思っていた。それなのに三億円奪って逃走しているだと?
『犯人の行方はどうなってるんだ』
「今、追跡中です!」
『朔夜!ヘルメット被れ』
「追うの!?」
『当たり前だろうが!』
腕の立つ人間が二人もいて何をしているんだ。警察の人間が人質になっているということだけでも問題なのに、まさか現金まで盗まれるとは。一体アイツらは何をしているんだ。
『捕まえてボコす……!』
「兄さん、それ強盗犯を?それとも土方さんたち?」
『両方!』
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