第218幕
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「補佐!用意しておきました!」
『ありがとな、山崎』
処理した書類を近藤に渡したあと、海は朔夜を連れて門扉へと来ていた。
山崎に頼んでいたのはバイクとヘルメット二つ。
「わー!すごい!山崎さんこれどうしたんですか?」
「ふふん。これは補佐用のバイクだよ。海くんはパトカーよりバイクの方が道に迷わないからね」
なんか余計な言葉が聞こえた気がしたが、特に何も言わずに聞き流す。
バイクに乗るのは久しぶりだ。前回乗った時は確か銀時に乗るなと怒られたような気がする。車と違って事故を起こした時は身を守る術がない。そのため死ぬ確率がグンと上がる乗り物だ。
『車で行くよりこっちの方がな』
後ろに朔夜を乗せるからいつも以上に気をつけなくては。
「兄さんバイク乗れるの?」
『免許は取ってある。乗る機会があまりなかったんだ』
「へぇ、すごい。兄さんなんでも出来るんだね!」
キラキラした憧れの瞳で朔夜はバイクを見つめる。色んな方向から見てはすごいすごいと言ってはしゃいでいた。
「朔夜くんとお出かけするのすごく久しぶりじゃない?」
『休みの日が合わないから。たまには外に連れ出すのもいいかなと』
「うんうん。良いと思うよ。今日はいっぱい楽しんできてね」
朔夜と同じくらい嬉しそうに山崎にこくりと小さく頷いた。
『朔夜、危ないからヘルメット被っとけ』
「えっ、これに乗るの!?」
『これに乗らないで何で行くんだよ』
「えっ……え、僕初めてだけど大丈夫?」
『振り落とされないように掴まってれば大丈夫だろ』
朔夜の頭にヘルメットをぼすっと被せ、自分はバイクに跨って鍵を回す。久しぶりに感じる振動に思わず口の端が上がった。
「気をつけてね!」
「うん!行ってきます!」
『行ってくる。何かあったら連絡してくれ』
「了解!」
後ろではしゃぐ朔夜にしっかり掴まるように声をかけてバイクを発進させる。ゆるゆると動き始めたバイクに朔夜が歓喜の声をあげるのが無線越しに聞こえた。
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