第217幕
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「アイツが来る前に用でも足しておくか」
そう言って桂は部屋を出ていき、辰馬は酒を飲めと銀時と海の前にグラスを置く。
「なんじゃあ海音!ちっとも飲んどらんのお」
『お茶でいいって言っただろ』
「そんなケチくさいこと言わんで酒を飲め酒を!」
『いらねぇっつの』
たっぷり注がれた酒を突き出されたが、海はそれを押し返す。そんなやり取りを見ているうちに段々と恐怖感が薄れてきた。
『お前いい加減に……!』
海が辰馬に怒り始めたころ、廊下の方から桂の悲鳴が聞こえて皆固まる。
「い、今ヅラの叫び声聞こえなかったか?」
「ロン毛にウンコでもついたがか」
『消灯されたからな。どっかつまづいて転けたんじゃねぇの?』
「でも何か小便にしちゃ帰り遅くね?」
「だからロン毛が水洗にでも巻き込まれたんじゃろ」
『トイレに行く理由はそれだけじゃないだろ。行ったついでにってのも』
「いや、今の声はそんな感じじゃないよね!?てか、辰馬てめぇ全部ロン毛のせいにしてんじゃねぇか!」
『うるせぇな。そんなに心配なら見に行けばいいだろ』
辰馬へと向けていた矛先を今度は銀時へと切り替え、海は面倒くさそうに立ち上がる。
「ちょ、海!?お前どこ行く気!?」
『桂を見に行くんだろうが』
「それならわしも一緒に行くぜよ。海音一人じゃ心配じゃ」
『厠見に行くだけなのになんで心配されるんだよ』
「そりゃあ海音が方向音痴だから」
『お前バカにしてんのか?』
ハハハッと笑う辰馬に海の怒りはジワジワと上がっていく。そんな二人の間に入るように銀時が身を滑り込ませ、三人で桂の様子を見に行こうと切り出した。
「い、行こうぜ!も、もし幽霊が出たら……そ、その時は海頼む!」
『お前は子供か』
「うるせぇ!!怖いもんは怖いの!!」
『はいはい』
海に呆れられていようがもうなんだって構わない。一人にされるよりかはマシだ。
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