第216幕
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「フッ……フフフ……」
辰馬からは銃を桂からは刀を向けられたとき、聞き覚えのある笑い声が響いた。
「同窓会一つで大した騒ぎだ。安心しな黒子野ならまだ来ちゃいねぇよ。同窓会を開くには……幻のシックスマンを迎えるにはまだメンツが一人足りねーだろ」
その声に身体が反射的に動いた。海を守ろうと自分の背に隠し、銀時は現れた人物の顔を見る。
「お、お前は……」
「まさか……」
「そう。俺はただ壊すだけだ。この気まずい同窓会を」
皆が(海を除いて)顔を確認した瞬間、持っていた獲物でその人物を攻撃し始める。
『いや、え、は?』
「海、あれは高杉ではない。変態だ」
『変態?』
「変態じゃありません。私はフェミニストです」
高杉の格好をした武市は鼻血を垂らしながらムクリと起き上がった。
「お久しぶりですね。桜樹さん」
『あ、ああ……』
「おい。気軽に声掛けてんじゃねぇよ」
戸惑う海の前に銀時は壁になるように立つ。武市はそんな銀時の態度に心外だと呟いた。
「おや、挨拶くらいいいじゃないですか」
「海に変態が伝染るだろうが」
「変態じゃない、フェミニストです」
この男は高杉の部下。まさか海のことをまた誘拐しにきたのか。
「海、俺らから絶対に離れるな」
『お、おう……』
木刀に手をかけていつでも抜刀出来るように構えたのだが、武市は争う気がないのか静かに手を挙げた。
「お待ちを。私は争うつもりはありません。晋助殿の言伝を預かってきただけです」
「言伝だ?まさかアイツも同窓会の誘いを?」
「残念がられていましたよ。会に参加出来ないことを。何せ……晋助殿と黒子野殿は親友と言っても過言ではない間柄だったとか」
高杉に親友がいたなんてことは知らない。気難しい性格の持ち主だった高杉は人から嫌われるようなことはあっても、好かれるようなことはなかったはずだ。
驚く銀時を余所に海だけは何か考え込んでいた。
「どうせ皆さんのことだから何も覚えていないだろうと私に手紙を託されたのです」
「手紙!?」
「ヤツが!?」
「俺たちに?」
まさか高杉が自分たちのために黒子野を思い出させるような手紙を寄越すとは思わなかった。
まさかの展開に銀時たちは呆然としてしまったが、武市が取り出したいくつもの関係のない手紙と意味のわからない書き置きにより同窓会はもっと闇が深くなった。
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