第216幕
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"お久しぶりです。元気にしてますか。実は私も今江戸に上京していて、良かったらまた昔の仲間で集まって一杯飲みませんか?"
桂が懐から出したのは一枚の紙切れ。
「実は今回の攘夷志士プチ同窓会。俺たちが開いたわけではない。かつての俺たちの仲間、その手紙の差出人が主催者だ」
「誰コレ。記憶にないけど」
隣に座っている海にも紙を見せたが、海も首を傾げて黙り込んだ。
「知ってる?」
『……記憶にない』
「やはりお前らも覚えていないか。あの男を……」
そこから桂と辰馬のよくわからないバスケ話が始まり、主催者であろう黒子野についてのことはなにもわからなかった。ただ一つだけ、ここにいる全員が黒子野のことを忘れているということだけ。
「誰も覚えてねぇのにどんな話すんだよ」
『死んでいったヤツなら覚えてるけど、その黒子野ってやつは覚えてないんだよな。俺の隊にも居なかったと思う』
「おい、てめーら!!海が必死に思い出そうとしてんのに歩狩だのヤクルコだの言ってる場合か!!」
「海よ、黒子野について思い出せそうか?」
「お前さんなら思い出せるじゃろう!?」
桂と辰馬に詰め寄られた海は困惑しつつ考え込む。仲間だったヤツらの名前をブツブツ呟きながら海は黒子野の姿を探したが、どうして思い出せないらしく最終的にイラッとした顔で桂を睨んだ。
『お前この紙どこでもらったんだよ』
「もらったのではない。届いていたのだ」
『どこに』
「潜伏先に」
『は?お前差出人不明のやつの手紙受け取ってこんなことしてんのか?』
「いや、それは……」
『馬鹿じゃねぇの?大体、その手紙が本当にかつての仲間のものである確証もねぇんだろ?それなのにのこのこと辰馬と銀時呼び寄せてんじゃ──』
「はい。ストップ。思い出せなくてモヤモヤしてんのはわかったから」
桂に文句言い始めた海の口を手で塞ぎ、振りあげようとしていた右足を押さえるべく海を抱き寄せる。
「で?どうすんのよこれ」
「誰も思い出せないならば仕方ないだろう」
まさかの開き直りに銀時はため息をつくしかなかった。
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