第215幕
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「いらっしゃいませ」
女将に出迎えられた銀時は約束をしている事を告げる。予約表を確認した女将はにこやかな笑顔で銀時を座敷へと案内した。
「どうぞお座敷の方へ」
丁寧に襖が開けられ、銀時は座敷にいる人間へと目を向ける。
「遅いぞ銀時。もしこれが攘夷戦争時代であったならば、貴様がために軍の足並みは乱れ甚大な被害を生んでいたやもしれん」
「アハハハハアハハハハッ……固いこと言いな!金時は軍規なんぞに縛られる小さき男じゃなか!協調性ゼロ、いつも単独で奇襲やら何やら勝手に暴れまわっとったんを忘れたか」
「フッ、忘れるものか。その尻を拭かされるのが俺たちの役目だったんだからな」
「そうじゃったそうじゃった!まっこと懐かしいのう」
「ああ、懐かしい。思い起こせば十年前……」
桂か語り始める前に銀時は端っこの方に座っていた海の手を掴んで元の道を戻った。
「お前何してんの?」
『捕まった。見回りの途中だったんだよ』
「捕まったじゃねぇよ。お前その格好でアレはねぇだろ」
『逃げようとしたんだけど桂がうるさくて』
座敷には"攘夷志士同窓会"と書かれた暖簾。そんなことろに真選組の隊服を着た海が座っているなど場違いにも程がある。
「帰んぞ。あんなところにいたらバカが伝染る」
バカ二人に付き合ってる暇はない。
このまま海を連れて万事屋に帰ろうとした銀時だったが、かつての仲間たちは素直に返してくれる気はなかった。
「ちょっと待ってえー!」
「少しは懐かしんだら?」
銀時に縋り付く桂と海の肩を抱く辰馬。
「分かってるのか!?この四人が揃うなんて滅多にないぞ。レアケースだぞ!同窓会だぞ!もうちょっとこう感慨とかさ」
「んなもんあるわけねーだろ。お前指名手配されてんじゃねぇのかよ。そんなやつが警察の人間と仲良く酒飲んでるとかバカなの?海が疑われるだろうが」
前回、銀時は真選組に張り込みをされていたことを知った。それはかつて自分が白夜叉だった事をバラしたせいだ。そのため要注意人物として警察からマークされている。
きっと海も多少なりとも疑われ始めているだろう。銀時を見張っていることを知らされていなかったのが確固たる証拠だ。
銀時と仲の良い海も攘夷戦争に関わっていたんじゃないかと思われている。そんな中で同窓会なんてやれるはずもない。
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