第214幕
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暫く言い合っていたのち、店員が料理を運んできたことにより一時は場が落ち着いた。
「ほら食べろよ」
『いや別に俺は……』
「そんな食べたそうな顔して何言ってんの」
並べられたのは美味しそうな刺身。普段食べることの無いものについ目を輝かせてしまったらしく、それを察した銀時が皿に分けて海の前に置いてくれた。
『む……』
「いいんじゃねぇの?たまにはさ」
早く食べないと神楽に全部食べられるぞと言われ、海はおずおずと箸に手を伸ばす。
『うま……え、これ美味しい』
一口食べてしまっては手を止めることは出来ず、海は無心で皿に乗っている刺身を食べ続けた。
「海!これも美味しいヨ!」
「海さん、こっちも美味いですよ」
神楽からは寿司を総悟からは海苔巻きを渡され、海の皿にちょこちょこと増えていく。
「あんたら何しに来たの!?」
「山崎、やめとけ。ああなったら誰にも止められねぇよ」
「これ俺とたまさんのお見合いですよね!?なんか補佐の食べ放題みたいになってませんか!?」
「諦めろ」
キッ!と山崎から睨まれた気がしたが海はそんなこと気にもせずに乗せられていく料理に手をつけていった。
「海、ちょっとこっち向いてて」
『?』
モグモグと食べている途中、銀時に呼ばれて顔を上げる。何故かたまの前にはホットプレートが置かれており、たまは鉄板を前にして呻いていた。
『なに?』
「いいからいいから。食事中の奴が見ていいもんじゃないから」
そう言って銀時はたまを隠すように身を乗り出す。
「それ美味しい?」
『ん、美味い』
「そ。良かったな」
『銀時もちゃんと食べてるのか?』
「食べてる食べてる。でもやっぱ海の手料理のが美味いけど」
『俺のより店の方が美味いだろ』
適当に作ったものよりレシピに則った料理の方が美味しいに決まっている。そう言った海に銀時は首を横に振った。
「愛情のこもってる料理に勝るもんはねぇよ」
とても穏やかな笑みで言われ、海はサッと顔を背けた。
「なに?照れちゃった?」
『うるせぇ。無駄口言ってんじゃねぇよ殴るぞ』
「はいはい。またウチに来て作ってね、海」
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