第214幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
お見合い当日。朝から曇り空だった天気は午後になった途端、雷雨に変わってしまった。
「本日はお日柄もよく……」
銀時が典型的なセリフを呟いたが、その言葉を邪魔するように雷が鳴り響く。
総悟が無理矢理取り付けたお見合いに万事屋一同、そして真選組のトップが出向いた。海は行くつもりなかったのだが、山崎にどうしても来て欲しいと懇願されてこの場に居る。
「あのー一つ伺ってよろしいですか?」
「なんでしょうか」
「なんでこんなことななったんですか」
張り込み相手の万事屋とお見合いという不思議な図に土方が疑問をぶつける。何も説明されていない土方と近藤は困惑し、ただ流れに任せてここまで来た。
細かい事情を知っているのは銀時たちと海と総悟だけ。
「知らね」
「いや知らねぇじゃねぇだろ!何でてめーらと見合いの席なんざ設けなきゃいけねぇんだ!」
「そりゃこっちのセリフだ。てめーらが持ってきた縁談だろうが」
"真選組が"ではなく、総悟がだが。
「海さん、こんなんで大丈夫なんですか?」
『知らね』
「そんなこと言わないでくださいよ。この場で一番まともなの海さんだけなんですから」
『何でもかんでも俺を頼ろうとするな。これくらいどうにかしろ』
「でも……」
『それに今日の主役は俺たちじゃないだろ』
「それはそうですけど……でも、付添人の方で一悶着おこりそうですよ?」
『無視しとけ』
土方と銀時をこの場に居合わせたやつが悪い。二人が犬猿の仲だということはここに居る誰もが知っていること。
『(めんどくせ)』
これなら屯所で朔夜の手伝いしてた方が良かったのではないだろうか。お見合いの付添人として出かけた総悟は持っていた書類を全て朔夜に任せてきている。今頃慌てふためきながら処理しているだろう。
「海さん!そろそろ止めてください!」
『近藤さんが止めてるから問題ない』
ヒートアップした土方が銀時に殴りかかろうとしていて、それを後ろから近藤が止めている。
『帰りてぇ』
思わず本音が零れたが誰にも聞こえていなかった。
.