第211幕
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「「バカンス?」」
「ええ。常夏の星、ワイハー星までちょっと旅行に」
「ほらここんとこ新作長編続きでろくに休みもなかったからここらで姉弟水入らずで春休みでもと、溜まってた有給使わせてもらったんです」
そう言った新八とお妙は近藤が言った通り日焼けして真っ黒になっていた。お土産だと言われ渡されたマカダミアンナッツチョコのように。
「いやー最高でしたよワイハー星。休みにワイハーなんてそんなベタなって思うでしょ?でもやっぱりベタはベタになるくらいいいもんってことなんですね」
ワイハー星での思い出を語る二人の顔にオビワンを失った悲しみは微塵にも感じられない。近藤と九兵衛は自分たちに悟られないようにしているのだ、と納得しあっているが、お妙の斜め上な発言でそれも崩壊。
「海くんも食べて。これ美味しいのよ」
目の前に出された皿には山盛りのマカダミアンナッツチョコ。遠慮せずにと言われ、海は一つ摘んで口の中へと放る。
「どう?美味しいでしょ」
無言で食べている海にお妙は嬉しそうに微笑む。
海がマカダミアンナッツチョコを食べている間に外からゾロゾロと人が来ていた。新八は門下生が来てくれたのだと喜ぶが、彼らはマカダミアンナッツ欲しさに集まった浮浪者。
『気晴らしにはなった?』
「え?」
部屋に残ったお妙に一言呟く。
「うん。もう泣かないわ」
『そ、いいんじゃねぇの?』
「ありがとう、海くん」
『俺は何もしてない。新八とお妙さんが頑張って乗り越えたんだろ?お疲れさん』
「う、ん」
一瞬、泣きそうな顔をしてみせたが、お妙はすぐに笑顔に戻す。
『いいのか?あれ』
「いいのよ。恒道館は騒がしい方が合ってるわ」
わらわらと集まってきた人たちを銀時と神楽が殴り倒していく。その中には竹刀をもった近藤と九兵衛もいて、更にめちゃくちゃになっていた。
「私達も行きましょ?」
『マカダミアンナッツのために?』
「やだ、海くんお気に入りになっちゃったの?」
『いや、そんなことは……』
「ふふ。まだいっぱいあるから持って帰っても大丈夫よ」
楽しげなお妙のあとを追って海も外へと出る。いつも寂しげだった恒道館はとても賑やかで晴れ晴れとしていた。
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