第211幕
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「銀ちゃん大丈夫アルか?」
「これくらい大した傷じゃねぇよ。気にすんな」
新八とお妙が受けた傷に比べればなんてことはない。
後ろで泣きながら笑っている二人を見て銀時は悔しげに唇を噛み締める。
必ずオビワンを取り戻すという決意は見事に砕け散った。オビワンは地球を守るために犠牲になりこの世界から消えてしまったのだ。
「(結局何もしてやれなかったな)」
二人の悲しむ顔を見たくなくてあれだけの事をしたのに何も変えられなかった。
それだけが心残り。
「銀ちゃん早く帰ろ。きっと海が待ってるヨ」
「海が?」
「うん。私たちに行けって言ったの海アル。銀ちゃんのこと助けてあげって」
「なんでそんなこと……」
「自分が助けに行けないからって。行ったら足でまといになるから代わりにって」
だから新八は海の刀を持っていたのか。
オビワンと銀時が対峙していた所に切り込んできた新八は何故か刀を持っていた。源外から渡されていた刀は銀時が持っていたので、新八が持参してきたのだと思っていたのだが、よく見たら普通の刀より刀身が短くて薄い。
そんな刀を扱えるのはたった一人しか知らない。
「海……怒ってたか?」
「ううん。笑ってた」
「笑ってた?」
「しょうがないやつって」
あぁ、その姿が目に浮かぶ。呆れた顔をしながら微笑むのだ。
"本当にお前はしょうがないやつだな"
馬鹿な事をした時は大抵笑われる。そして何度も注意されるんだ。もうこんな事はしないでくれって。事後処理するのはいつも海だから。
「帰ったら謝んねぇと」
「海優しいからきっと許してくれるネ」
「だな」
彼の優しさに何度も助けられている。今日だってそうだ。新八たちを動かしたのが海なのであれば、きっと銀時の思惑も説明したのだろう。銀時が生んでしまった誤解を解いて。
「ほんとにアイツには頭上がらねぇわ」
自分の不甲斐ない部分を海が補ってくれる。
いつか海から受けた沢山の恩を返せる日が来るのだろうか。
「もらったもんが多すぎて当分は無理そうだけどな」
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