第210幕
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「なんで……なんでそんなことしてるんだよ。なんであんたらにんなこと頼んで、僕らには何も言わねぇんだよあのバカ!」
憤慨した新八は海に詰めよろうとしたが、神楽とお妙に止められる。そんな彼に海は緩やかな笑みを浮かべた。
『だから言っただろ。それがアイツの性格なんだよ』
自分はどれだけ悪役になっても構わない。でも、守りたいものはきっちり守る。何を犠牲にしても。
「海くんは分かってたの?」
『いや知らない。最近喋ってねぇし』
この件について海は知らないことの方が多い。全て土方や総悟から聞いた話だけであって自分で見聞きしたものではないから。
だからこれも憶測でしかない。
『銀時はオビワンってやつを取り戻したいんじゃねぇの?お前らが慕ってる大事な人を。地球を滅ぼすかもしれない敵じゃなくて、新八とお妙さんの"兄貴"として』
"だって銀時はお前らの兄貴分だから"
そう言ってやれば新八とお妙は泣きそうな顔でハッとしていた。
「僕は……銀さんに!」
『そう思うなら助けに行ってやればいいんじゃねぇか?流石に生身の身体でビームやらなんやらを相手すんのはキツイだろ』
「海くんは……!」
『俺は行けない』
「海来ないアルか!?」
『まだ走れないんだよ。そんな人間が行ったところで足を引っ張るだけだろ。だから俺の代わりにあいつを助けてやって』
「わかり……ました」
まだ複雑そうな顔をしている新八に海は持っていた自分の刀を投げ渡す。
『新八、貸してやる』
「でも……」
『普通の刀からしたら扱いづらいかもしんねぇ。でも何も無いよりかはマシだろ?折れても文句言わないから存分に振るってこい』
渡された刀を新八は大切そうに抱きしめ、お妙と神楽を連れて走り出す。彼らの背中を見送りながら海は咳き込み始めた。
「兄さん!」
「海さん大丈夫ですかい?」
『あ゙ー……しんど』
「だから無理しちゃダメだって言ったじゃないか!」
『仕方ないだろ。分かってねぇやつには説明してやらねぇと』
「そんなの兄さんがすることじゃないよ!坂田さんがやるべきなのに」
『あのバカは絶対説明なんかしない。誤解させたまま、自分を悪者にしたままことを終わらせるんだよ』
悪役なんて向いていないやつがそんな事をするんだ。あとから寂しそうな、悲しそうな顔をするくせに。
『だから……俺がちゃんと……誤解解いてやらなきゃ……』
「兄さん!!!」
「土方さん!海さんが!!」
慌てて駆け寄ってきた土方に声をかけられるも海の意識はもう途切れようとしている。
銀時たちが戻ってくるのをここで待っていたかったのに。
『(どうか……無事で、)』
全員ここに戻って来るように。またみんな笑っていられるように。そう願って海は落ちた。
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