第210幕
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「兄さん大丈夫?」
ぼうっと隊士達の動きを眺めていた海に朔夜が駆け寄ってくる。その場から動かないのを見て無理してると思ったのだろう。
『先週に比べればなんてことはない。ずっと寝てたからダルさがハンパねぇけど』
「無理したらダメだからね?坂田さん追うとか言ったら全力で止めるから」
『追わねぇよ。今あいつに会わせる顔ねぇし』
「え?それどういうこと?」
隊士達を引き連れてきたのは新八の家。敷地内を隈無く探したが、オビワンという男は何処にもいなかった。
「海くん……」
『銀時が追ったんだろ?』
「うん。でも……」
『悪い。俺はお前らの言う兄貴ってやつを知らねぇんだわ。俺が知ってんのはそいつがこの地球滅ぼそうとしてるってことだけ』
悲しそうな表情でお妙は俯く。一縷の望みをかけて海に助けを求めたみたいだが、海は情けをかけることなく言い放った。
「ごめんね、海くん」
『何が?』
「こんなことに巻き込んじゃってごめんね。海くん今怪我してるんでしょう?」
『なんでそれを?』
「銀さんがね言ってたの。海くんに会いに行っちゃダメだって」
まさかそんな事を言われていたなんて知りもしなかった。それ程怒ってるのか。
『そう』
「海くんは新ちゃんのお師匠様だからオビワン兄様に会わせたいと思ったの。でも、みんなで行って騒いだりしたら海くんの怪我に障るって。会いに行くなら怪我が治ってからにしてくれって言われたの」
『……え?』
「銀さんずっと心配してたのよ。海くんの怪我いつ治るのかなって。今日の朝も様子見に行ってたみたいだけど……知らない?」
『いや、何も……』
銀時が屯所に来ていたことは知っている。オビワンの事で頭を下げに来たと。海が知っているのはそれだけだ。まさか自分の怪我の具合も見に来ているとは思わなかった。
『(あいつ怒ってるんじゃないのかよ)』
言ってることとやってる事が合わなくて頭の中が混乱していく。顔も見たくないくらい怒ってたんじゃないのか。
銀時が何を思っているのか全く分からない。
「海くん?」
『あ、悪い。大丈夫』
急に黙り込んだ海にお妙が不安そうな顔を浮かべる。怪我のせいではないと言って笑いかけるとお妙は安心したように少しだけ笑った。
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