第202幕
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『それでここに来たと?お前らアホすぎないか……?』
「でも、これしか手はなかったんです!」
「そよちゃんなら何とかしてくれると思ったネ!」
『おい、保護者二人いながら何やってんだ』
「わっちは知らん。そこの天パが勝手にやったことじゃ」
「てんめぇ、人のせいにしてんじゃねぇぞ!お前も共犯だろうが!」
吉原にいる花魁の為に銀時たちは城に侵入し、元将軍である定定に話を聞きに来た。
鈴蘭という花魁との長い約束を果たさせるために。
『銀時』
「んあ?」
『先代将軍と会うのはやめておけ』
「あ?なんで」
『やめておけ』
「だからなん……おまえ……」
「海……さん?」
『あんなやつに会ってもなんの意味もない。鈴蘭という花魁には申し訳ないが、その約束は果たされないと思ってくれ』
驚いた顔をしている銀時に海は冷たく言い放つ。我慢しているつもりであっても、言葉の節々に怒気が含められているようで、そばで聞いていた新八は怯えた表情をしていた。
「桜樹海」
『お前もここにいんのかよ』
銀時たちが黙り込む中、一言も言葉を発さなかった信女が口を開く。
「異三郎は」
『生きてはいる』
「そう。ならいい」
信女が聞きたかったのはそれだけだったらしく、後はもう用がないというように海から目を逸らした。
「海さん、なんで定定様に会ったらいけないんですか」
『会って聞けると思ってるのか?花魁との約束を覚えてますかと。今その約束を果たせと』
バカバカしい。そう言って話を終えてしまいたかったが、新八と神楽はそれでは納得してくれないだろう。
月詠も黙って聞いてはいるが、海にむけて睨みをきかしている。
「でも、鈴蘭は約束したネ!その約束果たさせるまでは……!」
『神楽、お前みたいな純粋な人間はこの世に少ないんだよ』
鈴蘭の約束を果たしてあげたいと願う神楽の気持ちを踏みにじることになるが、これは現実のこと。
『先代将軍はそんなに良い人間じゃない。むしろアイツは……』
憎むべき人間だ。
忌々しげに吐き捨てた海に新八と神楽は口を噤む。
「海、」
心配げな顔で銀時は海を見ていたが、海は銀時から目を逸らした。
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