第209幕
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『どうしてこうなった』
「お前本気で転職考えたら?」
『…………おう』
近藤と共に散歩に出たまでは良かった。だが、途中で近藤がいきなり走り出したかと思えば、九兵衛と並んでなにやら不穏な空気を漂わせた。
『こんな所で何してるんだよ』
「ビームなんとかの宣伝。お前こそ何やってんだよ」
『屯所で寝てばかりじゃ身体が鈍るから散歩』
互いに顔を見ること無く喋る。そんな海と銀時に神楽や新八が不安げな表情をしていた。
「身体の方は……大丈夫なのか」
『一応は。外側はもう問題ない。まだ肺の方が良くなくてな。無理はすんなって医者から警告された』
「あっそ。そんな状態だったのにお前城まで行ったのかよ」
病院に戻ってからは一度も銀時と話をしていなかった。退院したあとも屯所にこもりきりで海の方から銀時の顔を見に行くことは出来ず、山口や朔夜から話を聞くくらい。
病院に戻してくれたことについて礼を言わなくてはいけないのはわかっている。分かってはいるのだが……。
『その……』
「なに?」
『……悪かった』
「何が?」
『病院抜け出して』
「それはゴリラとマヨラーに言ったら?アイツらだって探し回ったんだからよ」
『二人には言った。だから……』
「だから?言っとくけど俺まだ怒ってるからね?」
本気で怒っているのが顔を見なくてもわかる。怒られて当然のことをしたのだから仕方ない。
『ごめん』
「まだ治ってないなら屯所に居ろよ。散歩だとかいってふらふらしてまた倒れたりしたらそれこそ迷惑だろ」
迷惑、という言葉にガツンと頭を殴られたような衝撃を受けた。少し良くなったからって調子に乗るな、と言われているのだ。
『そうだな。お前の言う通りだわ』
「屯所まで送っていくから大人しく──」
『いい。一人で帰れる』
海の手を取ろうとした銀時の手を振り払い、来た道を一人で戻る。
「おい、海!」
『ここまで歩いてきたんだから別に大丈夫だろ。俺に構うよりそっちの方気にしろよ』
銀時たちの他に知らない男がいるのだ。そっちはそっちで盛り上がっているのだから自分のことは放っておいて欲しい。
『出てくるんじゃなかった』
これなら屯所で山崎のミントン見ながら寝てた方が楽だった。
屯所までの帰り道に何度もため息をつき、銀時を怒らせてしまった自分への嫌悪感に苛まれる。早く部屋に戻って寝てしまいたい。そうすれば何も考えずに済むから。
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