第202幕
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「どうもやぶへひくせえが洗ってみるか、その下手人」
『口を割らないようであれば多少手荒な真似をしてもいいだろ』
「ストレスでも溜まってるのか?ダメだぞ、海!ちゃんと発散しないと!」
『どこでも屁をかまして発散するような人間にはならないようにしておくよ』
海の言葉に落ち込む近藤を無視し、海は見張りによって開けられた牢屋へと入る。
「あっ!海、とその仲間たち。こんなところで会えるなんて奇遇だね。ちょうどいいところに来てくれた。ちょっとお話があるんだけどー」
「海」
『うおっ』
後ろから土方に襟を引っ張られて扉の外へと戻される。パタン、と閉められた扉の外向こうからは銀時の悪態が聞こえた気がした。
「海、お前人を見る目がないな」
『俺のせいかよ。悪かったな、見る目がなくて』
「今からでも変えれば──」
「トシ。そんなことより今はあの下手人をどうするかだ」
『どうしようもないだろ。あれはもう無理だ。いっその事首はねてもらえば治るんじゃないか?馬鹿は死なないと治らないって言うし』
「えっ、海は万事屋に死んでもらいたいの!?」
『そうは言ってない』
「そう言ってるように聞こえるんだけど!?」
扉の奥から聞こえてくる文句に海は頭を抱え深いため息を零した。
なんでまたこんな事になっているんだ。最近静かにしているから安心していたというのに。数日待たずにまた厄介事に首を突っ込んでいる。まさか城に忍び込んで暗殺の疑いを掛けられているとは。
『もうやだアイツ』
「海くーん!!そのゴリラさっきスカした時にちょっと出てるから!!近づいちゃダメだから!」
「なんで知ってんだ!!」
『近藤さん、もう少し離れてもらってもいいか』
さっきのあの異臭はそれが原因か。
土方を盾にするようにして近藤から離れると、近藤は顔を赤くしながら何度も首を横に振って違うと叫んだ。
「違うから!!スカしたのは本当だけど出てないから!全部は出てないから!!」
「ちょっとは出てんのか……」
『おい、どうにかしろよ。上司だろ』
「お前もだろうが」
土方とともに近藤からジリジリと距離を置く。涙目で訴えてくる近藤を冷めた目で見る海たち。
そんなやり取りを間近で見ていた見張りの人間も静かに近藤から距離を置いた。
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