第205幕
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『神楽ってなんでも出来るんだな』
「なんでも出来すぎてたまに怖ぇけどな」
まさか飛んできた弾を打ち返すとは思わないじゃないか。
女子供は守るもの。それは海の中で絶対なのだが、ここから神楽は除外してもいいように思えてきた。
『次が装填されるぞ!』
「大丈夫ネ。ぱっつぁん投げたから」
『え?』
弾を打ち返したと同時に筒の中へと新八と倒れている兵士を投げ込んだ。そう言って笑う神楽に少しの寒気。
「酷いよ!なんで僕だけ!」
『大丈夫か?新八』
新八に手を貸して筒から出してやると、恨み言を呟きながら神楽を睨む。
「酷いですよ!なんで僕を投げたのさ!」
「ぱっつぁんが近くにいたから」
「だからって投げることはないだろう!?」
「でもそのおかげで大砲奪えたアルよ」
それでも納得がいかないと怒る新八の頭を撫でて宥め、身体を張って敵の攻撃を止めた新八は凄いと褒めてやると、新八は恥ずかしそうにはにかんだ。
「海さんに褒めてもらえるなら……まぁ、許しても……」
「おい、新八。誰のもんに鼻伸ばしてんだ?こら」
「新八が頑張ったんじゃなくて私が投げたから大砲使えなくなったネ。褒めるのは新八じゃなくて私アル」
「お前らそれでも仲間なの!?!?」
『はいはい。神楽もよく頑張ってるよ。新八もな』
「俺は?ねぇ、俺も頑張ってるよね?」
子供らを褒めると何故か銀時も身を乗り出して褒めて褒めてと訴えてくる。なんでお前まで、と呆れた顔をする海の前にもう一人顔を出してきた人物がいた。
『まさかお前もか』
「ち、ちがっ……わっちはただ早くその門を開けたいだけじゃ!」
『あ、そういうことか』
「た、ただそれだけで……あって、別に……」
もじもじもじもじ。
『……月詠も頑張ってるよ。信女も。もう少しだから踏ん張ろうぜ?』
「なっ!?」
「別に褒められても嬉しくない。褒めるくらいならドーナツ寄越せ」
『好物なのかよ。そういえば総悟から奪い取ってたよな』
「ドーナツは甘くて美味しい」
『終わったら食いに行くか』
「貴方の奢りね」
『はいはい』
緊迫した状況だというのにこの緩み具合。普通ならもっと焦ったりするものなのだが、一人一人に余裕があるから無駄な話もできる。
「ようやくついたな将軍様んち」
「あれ?インターフォンがないアル」
『出入りは決まってるからな。将軍への謁見は決められた人間しか出来ない。呼び鈴鳴らして出てきてもらうなんてことしないんだよ』
「ならしょうがねぇな。じゃあ、これだ」
呼び鈴がないのであればそれの代わりになるものを使えばいい。
近くにあった大砲を門に向けて弾を装填。
「将軍様ー!」
「「あーそーぼー!」」
『悪い所だけ似るんだもんなぁ』
「それは海さんも同じだと思いますよ」
『何か言ったか?新八くん』
「いえ……」
じとりと新八を軽く睨んで黙らせる。誰が誰に似たって?
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