第205幕
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城を守る兵士たちが邪魔で仕方ない。
一人、また一人と斬り伏せていきながら、海はぼんやりと昔の記憶を今と照らし合わせていた。
武器を持って襲いかかってくる敵を容赦なく殺す。やらなければこちらがやられるのだ。だから殺す。どれだけ血にまみれようとも。
「海!これではキリがない!一度銀時たちと合流した方が!」
『全員斬れば問題ないだろ』
「それでは時間がかかりすぎる!」
『時間なんて関係ねぇよ。刃向かってくるやつは全員斬る』
「海!!」
月詠の声を無視してただ兵士を斬りつける。そこにはなんの感情もない。ただ、邪魔となる存在を消すことだけ。
「海!これじゃダメアル!」
『……何が?』
飛びついてきた神楽を受け止めて、ダメだダメだという彼女に首を傾げる。
「海一人で戦ってるわけじゃないアル!」
『だから?』
「だから、その……」
「桜樹、周りを見て。私たちだけで相手できる人数じゃないわ。それに雑魚をいくら斬っても意味が無い。私たちの相手はこいつらじゃないのだから」
「そ、そうネ!私たちはこいつら相手にしに来たわけじゃない!」
だからしっかりして欲しいと叫ぶ神楽。返り血で汚れている海の服を引っ張って必死な顔で何度も銀時のところへ戻ろうと言われ、海は渋々頷いた。
「ツッキー」
「なんじゃ」
「今の海は一人にしちゃダメアル」
「どういう意味じゃ」
「前にも見たことあるヨ」
神楽に引っ張られながら彼女らの話を聞いていたが、話の半分が理解出来ず耳を通り抜けていく。月詠がたまに怯えた顔でこちらを見てくるが、どうしてそんな顔をするのかわからず、海はただ笑みを浮かべた。
「銀ちゃん!!」
「神楽、そっちは大丈夫だったか?」
「うん、でも海が!」
「なに?海がどうしたって……」
「また暴走してるアル」
「はぁ!?」
『別に暴走なんか』
「ここまて死体だらけだったのはお前のせいか」
ごつん、と頭に銀時のゲンコツが落とされて痛みに蹲る。なんでこんな目に、と銀時を睨むと相手もこちらを睨んでいた。
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