第231幕
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「終わったことなら気にしなくていいんじゃねぇの?多串くんも反省してるでしょ」
『してなければこれからも避ける』
「避けてんのかよ……」
『最低限の会話しかしてない。今日の見回りも総悟に代わってもらった』
「すげぇ徹底ぶり。珍しいじゃん、海がそんな対応するなんて。よっぽどだったんだな」
『よっぽどかは分かんねぇけど。とりあえずそうしてる』
「とりあえずで塩対応されてるの。なんか同情するわ」
『珍しいのは銀時の方だろ。いつもなら土方の話題出すの嫌がるのに』
普段と違うと変に勘ぐってしまう。銀時と土方の間に何かあるというわけではないだろうけど、なんとなくそう思ってしまうのだ。
「なんか可哀想だなと」
『何が?』
「ここまで気づいてもらえないとなると脈がないとかの問題じゃなく、男として見てもらえていないというか、そこらへんの石ころみたいな感じなのかなって」
『石ころ?』
銀時の言っている意味が分からなくて首を捻る。詳しく聞こうと口を開いた時、ひゅるひゅるひゅるという音が聞こえた。
音の方へと目を向けると、どんっと大きな音が辺りに響く。その直後、真っ暗な空に大輪の花が咲いた。
「綺麗じゃん。ほら、心配ないって言ったろ?」
『ああ……そうだな』
たった一瞬のものだが、空に打ち上がった花はとても綺麗だった。さっきまで話していた内容が全て頭からすっぽ抜けるほどに花火は海を魅了している。
「なぁ、海」
『なに?』
「また祭り来ようか」
『暇があれば』
「仕事しすぎなんだよ。他の奴らに任せりゃいいのに」
『今度からはそうする』
「うん。そうして」
『なぁ、銀時』
「うん?」
パラパラと落ちていく花火から銀時へと目を移すと、優しげな顔で海の事を見ていた。
『いつもありがとう』
「どういたしまして」
周りの人達が空を見上げている中、海と銀時は互いを見つめていた。
唇が重なるまであともう少し。
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