第231幕
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クレープを食べながらふらふらと歩いていると、銀時が何かを思い出したように「あっ」と呟いた。
「そういえば花火上がるの忘れてたわ」
『花火?』
「そうそう。デカい花火を上げるっておっさん共が言ってた」
『それちゃんとした花火だよな?』
「それ以外に何があるんだよ。町内会の奴らが準備してたから大丈夫だろ」
以前、花火だといって打ち上げられたのは全く違うものだった。おまけでついてきたのはカラクリだったし。
『不安しかねぇ』
「大丈夫だっつの。もし変なもんだったら海を抱えて逃げる」
『警察が逃げてどうすんだよ』
「どうせ他の奴らだって来てるんだろ?さっき多串くん見かけたし」
『ああ、クソ上司』
「え?何その言い方。喧嘩でもしたの?」
『別に』
「してるじゃん」
『してない。上司だからって部下のことを全部知っていて当然だみたいなツラしてたから怒っただけであって……』
「あー……うん。それは多串くんが海のこと気になってるからじゃねぇの?」
『気にする必要なんかないだろ。仕事はちゃんとやってる』
「そういう意味じゃなくてね?んー、これ以上説明したくねぇんだけど……」
うーんと唸りながら考え込む銀時に訝しげな目を向ける。土方の話題を出すといつも不機嫌になる銀時が珍しく話を続けているのだ。しかもなんだか土方を庇っているようにも見える。
「まぁ、よく分かんねぇけど……多串くんも海のこと心配してるんじゃねぇの?色々あったから」
『だからって何でもかんでも聞けば答えてくれると思われても困る。俺だって人に話したくないことだってあるんだよ』
「そんなしつこく聞かれたの?逆に気になるんだけど」
『大したことじゃない。それにもう解決した』
「なんか悩んでたってことか…………うん?」
小首傾げて銀時は明後日の方を見つめる。
『なんだよ』
「いや、解決したならよかったなぁと。話は済んだのに多串くんにしつこく聞かれて怒ってるってこと?」
『それもあるけど……。話したくない内容だったのに高圧的に言ってきたからつい』
話したところでしょうもないと言われるのがオチだ。だからこそ土方には話したくはなかった。なんだか弱みを見せるみたいで。
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